企業が学生にアプローチ 逆求人サイトの上手な使い方就活探偵団

イラスト=強矢さつき
イラスト=強矢さつき

私に興味がある会社は手を挙げてください――。企業が有望な学生を指名する「スカウト」サービスが広がってきた。学生自身が自ら志望企業を選びエントリーする「リクナビ」のようなナビサイトに代わる新しい手段として注目が集まる。ただ、黙って待っているだけでは企業からのラブコールは届かない。使いこなすためのコツを就活探偵団が探った。

「私に興味を持ってくれる会社だからきっと入社しても安心して働けると思った」。今春、都内の私大を卒業した渡辺宏子さん(仮名)はスカウトサイト「オファーボックス」で都内のIT(情報技術)企業の内定を獲得。現在はコンサルタントとして活躍している。

渡辺さんには就活をする上でハンディがあった。4年生の6月まで、アイスランドに留学していたのだ。一般的な就活生は3年生の3月から4年生の5月にかけて企業への応募を済ませ、選考を受けている。帰国してから動き出していては間に合わない。

そこで目をつけたのがスカウトサービスだった。アイスランドにいながら「待っているだけ」で就活できる。現地滞在中に複数の企業から「オンライン面接をしませんか」とオファーをもらった。「スカウトサービスがなかったら秋まで就活していたかもしれない」

スカウトサービスは学生が自分の私服姿の写真や過去の経歴などをあらかじめ入力。登録企業がこうしたプロフィルを閲覧し、有望な学生を指名する仕組みだ。オファーボックスに登録する2020年卒の学生数は12月時点で12万7000人と、2年前に比べ8割増えた。何の関わりもない不特定多数の登録企業が個人情報を閲覧できるが、SNSの流行によって「自己PRをネット上に発信することにそれほどためらいはない」(都内の大学4年生)という。

ポスト「リクナビ」として注目

8月にはリクルートキャリア(東京・千代田)が運営する「リクナビ」が、学生の個人情報を不適切に扱っていたことが報じられた。ナビサイトの利用に不安が生じたことでスカウト人気には拍車がかかり、ポスト「リクナビ」として注目が集まっている。

企業側もスカウトに熱い視線を送る。今は少子化が進み、大手や人気企業ですら優秀な人材を発掘するのに苦労している。ここ2~3年で「資生堂や日産自動車など、大手企業の利用も増えてきた」(アイプラグ)。7月に導入した経済産業省は「通常の選考では出会えなかった学生を見つけたい」と期待する。

オファーボックスを利用する企業は19年10月に5400社と、2年前に比べて1.6倍に増えた。人材サービス大手のエン・ジャパンが手がける「アイルーツ」も同期間で3倍に増えた。

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