驚きの筆記具・競馬新聞紙メモ…2019年の名作文具たち納富廉邦のステーショナリー進化形

競馬新聞の紙で作ったパスポートメモ/書きやすい紙を使用

名前が「競馬新聞の紙で作ったパスポートメモ」(ぷんぷく堂、税込み417円)。無地、ドット方眼、5ミリ方眼の3種類がある

メモ帳では、今年の1月に発売されたミドリの「パッとメモ」も印象深いが、そちらは、何度もあちこちで書いたので、ここでは、それに勝るとも劣らない、ぷんぷく堂の「競馬新聞の紙で作ったパスポートメモ」を取り上げたい。

手にしやすいパスポートサイズの左とじ横開きのメモ帳で、裏表紙が硬い紙になっているので立ったままでも書きやすい。無線とじなのでページがよく開き、横開きなので、裏表にビッシリと書ける。メモ帳に求められる基本機能をしっかりと備えた上に、使われている紙が競馬新聞の紙。競馬新聞を手にしたことがある人なら分かるだろうが、鉛筆やサインペンのノリがとても良いのだ。

しかも、裏写りもしにくい。19年の流行でもあるサインペンや水性インクを使う万年筆と組み合わせると、とても見やすいし書きやすいのだ。ドット方眼、方眼、無地と3種類そろっているのもいい。60枚120ページあるのに、薄く仕上がっていて胸ポケットへの収まりが良いのも魅力。普段使いのメモ帳としての完成度がとても高い。これもまた、誠実に作られた新しい文房具と言えるだろう。

実際に書いてみると、サインペンのインクや鉛筆の紙へのノリの良さが感じられる。あまり筆記用紙として使われることがない競馬新聞用紙の書き味を体験してほしい

■実用性の極めて高いテープ/WORKERS'TAPE

封筒に記載すべき項目が印刷されたテープ「WORKERS'TAPE」(ハイモジモジ、税込み990円)。「請求書在中」「納品書在中」「領収書在中」「重要書類」の4種類がある

マスキングテープのブーム以降、様々な接着テープが登場しているけれど、個人的に「これだ!」と思ったのが、ハイモジモジ「WORKERS'TAPE」。接着テープに、「請求書在中」とか、「領収書在中」「納品書在中」「重要書類」と印刷されているだけなのだが、これが良くできているのだ。

まずシンプルながらキレイにデザインされているので、ビジネスに普通に使えること。デザインに凝り過ぎていないのが良いのだ。貼るだけでしっかり目立つのもうれしい。さらに、ほんのちょっとだけしゃれて見えるのだ。はんこに比べて、クッキリと見えるのもいい。コクヨ「GLOO」のような、据え置きでも手持ちでも使えるテープディスペンサーと組み合わせると、より使いやすいだろう。

この製品の、マスキングテープが従来の使い方から離れて装飾用テープとして流行したのを逆手に取ったようなアイデアが、何とも好きなのだ。その上で、仕事で使える製品になっているのがいい。この製品もまた、従来の製品にアイデアを加えて、新しい用途を提案した、2019年的な製品だと思う。

貼るだけで、スタイリッシュな専用封筒のようになるデザインがうまい。封筒の縦使い、横使いを問わず使える幅の設定も良く考えられている

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記事「超極細と自己修復 新世代ジェットストリーム開発秘話」で取り上げたばかりなので今回は割愛したが、三菱鉛筆の「ジェットストリーム エッジ」(1000円+税)の、油性ボールペンでボール径0.28mmという、もはや滑らかに書けるジェットストリームというイメージを捨てて、新しい価値観に足を踏み入れた点も評価したい。この流れが、もしかすると2020年の方向性なのかもしれない。

納富廉邦
佐賀県出身、フリーライター。IT、伝統芸能、文房具、筆記具、革小物などの装身具、かばんや家電、飲食など、娯楽とモノを中心に執筆。「大人のカバンの中身講座」「やかんの本」など著書多数。

(写真 スタジオキャスパー)

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