ベンツG350d 常識覆す洗練さ、荒れた大地も縦横無尽

2020/1/12
ディーゼルエンジンを搭載した本格的なクロスカントリーモデルの「メルセデス・ベンツG350d」(写真:花村英典、以下同)
ディーゼルエンジンを搭載した本格的なクロスカントリーモデルの「メルセデス・ベンツG350d」(写真:花村英典、以下同)
webCG

メルセデス・ベンツの本格クロカン「Gクラス」に、最高出力286PS、最大トルク600N・mの新世代直6ディーゼルエンジンを搭載する「G350d」が追加された。最もリーズナブルなプライスを掲げながらも本命との呼び声も高い、新グレードの実力やいかに?

Gクラスの本命

いまさらあらためて説明するまでもなく、Gクラスは1979年に誕生したメルセデスの本格クロスカントリーモデルである。最新型は、2018年に車両骨格にも手が入る大幅改良を受けたもので、同年のNAIAS(北米国際自動車ショー=通称:デトロイトモーターショー)でデビューした。登場当時は「Gクラスがフルモデルチェンジ!」なる表現もさまざまなメディアやSNSで見受けられたが、輸入元であるメルセデス・ベンツ日本はもちろんのこと、本国ダイムラーもあくまで最新型は“改良モデル”であると言う。

強靱なラダーフレームが採用されたボディー骨格や新旧見分けのつきにくいアピアランス、そして“W463”という型式の踏襲をもってメルセデスは商品改良と主張する。しかし、2018年以前の“従来型”から流用されているパーツがドアのアウターハンドルとウオッシャーのノズル、それにリアのタイヤカバーというわずか3点にとどまる事実に照らし合わせれば、それはもう言葉遊びのレベルで、実質“生まれ変わったGクラス”と表現することになんらためらいはない。

今回の試乗車は、改良後のW463に設定された初のディーゼルエンジン搭載モデル。2018年6月の日本導入時点では、最高出力585PSとなる4リッターV8ツインターボ(M177型)の「G63」、同422PSとなる4リッターV8ツインターボ(M176型)の「G550」というともにガソリンエンジン搭載モデルのみのラインナップだったが、G350dは遅れてきた本命といえる。なにせ2017年の──その時点でもすでに新型登場のうわさはあったはず──Gクラス販売構成比においては、70%がG350dであったというのだ。出来の良さが評判の最新型において、ディーゼルモデルを本命といわずして何という。

ということで、「S400d」などにも搭載される3リッター直6ディーゼルターボエンジン「OM656」と、フルモデルチェンジ相当の改良が施されたシャシーやボディーの組み合わせを味わうべく、ガッチリしたハンドルに手をかけドアを開ける。文字通りキャビンによじ登り、収まった先には、泥とは縁遠い12.3インチのワイド液晶を2つ並べたモダンなインストゥルメントパネルがあった。

大幅改良が行われた「Gクラス」にディーゼルエンジンを搭載した、新グレード「G350d」。2019年4月4日に日本導入を発表、同年夏にデリバリーが開始された
12.3インチサイズのワイド液晶を2つ並べたインストゥルメントパネル。最新のメルセデス車に共通する装備や意匠が採用されつつも、垂直基調のダッシュボード形状や助手席のグラブバーなど、従来の「Gクラス」をイメージさせるパートも残されている

「こりゃすげぇ」と声が出る

OM656と呼ばれる、新世代モジュラーユニットによって構築されたディーゼルエンジンの最高出力は286PS、最大トルクは600N・mである。気になるクリーン化に関しては「EGR(マルチウェイ排出ガス再循環)」の採用で窒素酸化物(NOx)の排出を抑制。加えて排出ガスの後処理に酸化触媒と尿素SCRを用いているとのこと。組み合わせられるトランスミッションは9段ATだ。

今回のドライブは、多くのラインナップが一堂に会する試乗会で行ったためオフロードに足を踏み入れることはかなわず、試乗時間も短いものであった。しかし、それでもG350dの実力の片りんはうかがえた。エンジンをかけ、ステアリングコラムの右側に配置されるシフトセレクターレバーを「D」のポジションに押し下げると、G350dはするすると動き出す。そこから右足にほんの少し力を込めるだけで、1200-3200rpmで最大トルクを発生するOM656が、2.5tの車重をものともせずボディーを瞬時に押し出した。

3リッター直6ディーゼルターボエンジン「OM656」の最高出力は286PS、最大トルクは600N・m。最新の排ガス浄化システムが組み合わされる。トランスミッションは9段AT
MONO TRENDY連載記事一覧