水虫、自己判断で放置は禁物 糖尿病の人は要注意いつまでも歩けるための健足術(7)

日経ヘルス

2020/1/6
写真はイメージ=123RF
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日経ヘルス

自分の足を健康に保つための「健足術」の連載7回目は、水虫について解説する。かゆみなどがないと放置されがちだが、家族や自分が糖尿病の場合は注意が必要だ。自分で判断せず、水虫のタイプごとに適した薬で治しましょう。

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「日本をはじめとして、はだし文化のアジアは、世界的に見て水虫が多いといわれる」と話すのは、「足」を専門的・総合的に治療する下北沢病院の久道勝也理事長だ。

水虫は白癬菌(はくせんきん)という真菌(カビ)の一種が原因の感染症。白癬菌は、暖かく湿度が高い場所を好み、角質のたんぱく質をエサとして増殖する。そのため、水虫は足指の間やかかと、そして爪に起こりやすい。

「日本の場合、夏は自宅ではだしで過ごすことが多い。そのため、家族に一人でも水虫の人がいると、床に白癬菌をバラまき続けているため、ほかの人が治そうとしても、いつまでたっても治らない。水虫を火とたとえると、塗り薬で鎮火しようとしているのに、わきで水虫の人が火をつけているようなものです」(久道理事長)

さらに、昔から日本では銭湯など、不特定多数の人が裸足で集う場があった。このことも、日本人が水虫になりやすい一因だとされる。

ちなみに、「水虫は英語では『アスリート・フット』と言います。それは運動選手に多いから。運動をして汗をかくと、靴の中は蒸れた状態。そしてアスリートたちが使うシャワーやロッカールームなどの施設は暖かく、湿気が多い。白癬菌が広がる条件がそろっているからですね」と久道理事長は説明する。

一口に水虫といっても種類ごとに治療法が異なる

水虫には、大きく分けて2種類ある。足指の間やかかとに起こるのが「足白癬(あしはくせん)」、爪に起こるのが「爪白癬(つめはくせん)」だ。

(イラスト:内山弘隆、グラフ:増田真一)

日本皮膚科学会によると、日本では、足白癬が増え始める5月には、5人に1人に足白癬があるという。そして季節的な変動がない爪白癬は、常時約1000万人が患者だと推計されている。こんなにも多いのに、かゆみなどが出ないと、放置する人も多い。

ただ、「足白癬も爪白癬も年齢が上がるにしたがって増えることがわかっています。そのため、介護老人保健施設など、高齢者施設では非常に多い。合併症などがなければ、命にかかわるような病気ではありませんが、問題は糖尿病。糖尿病の人は水虫になりやすいうえに、しばしば水虫が思わぬ重症化のきっかけになるからです。自分が糖尿病でなければ、気をつける必要がないと思われるかもしれませんが、前述したように家族に水虫の人がいたら、うつりやすくなります。家族に糖尿病の人がいれば、水虫対策をしっかりすべきです」(久道理事長)

特に、もともとの足の形として、足指と足指の間隔が狭く、“閉じている”人はなりやすいというデータがある。「風通しが悪く、指の間が蒸れやすいためですね。思い当たる人は意識して予防してください」と久道理事長は注意を促す。