デートは柔らかレザーバッグで 女心にリュックは微妙ファッションディレクター 清水久美子

せっかくのデートの日。女性目線におしゃれと映るビジネスバッグを用意するのは決して無駄な投資ではないのです=PIXTA
せっかくのデートの日。女性目線におしゃれと映るビジネスバッグを用意するのは決して無駄な投資ではないのです=PIXTA

丸の内界隈(かいわい)でも、今やすっかり定着した、スーツやジャケパンにリュックの組み合わせ。朝の通勤シーンを一望すれば、みんな背中にオン・リュック。パソコンや携帯が欠かせない今時のモバイル事情にもかない、かつ動きやすい、市民権を得るのは必然です。




けれど、女性目線からみれば、このリュック、実はなかなかに悩ましい存在。「頭ではわかっていても、心が追いついていかないのよ……」と、ヴェンダー室でうなずきあうのは、恋多き丸の内の女性たち。便利さゆえか、昨今は平日デートだと、リュック姿でご登場、というのも往々にしてあるものです。

もともとはアウトドアのアイテムゆえ、デートにふさわしいビストロやバーなどでは、やはりくだけすぎた印象に。しかも、「とりあえず仕事中に来た」的な余裕のなさを感じさせ、期待値の高い夜に水を差してしまいそう。

今やすっかり定着した、スーツにリュックの組み合わせですが、デートではくだけすぎた印象に=PIXTA

さらに言えば、女性にとって、男性の後ろ姿は実に色気を感じるところなのです。男は背中で語るといいますが、人間性の厚み、孤独や包容力などいろいろなストーリーを妄想させるのが、そう背中。

デートの別れ際などに、こっそり見入ってしまうのはそのためなのですが、その視線の先にリュックは、「今日も遠足……」とつぶやきたくなる残念度。リュックは普及すれども、悩ましいのが現実なのです。

バッグはスタイル全体を大きく左右します。せっかく予定のある日、女性目線におしゃれと映るビジネスバッグを用意するのは、決して無駄な投資ではないのです。

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