標識は確認した? 東京は国より厳しい飲食店禁煙条例弁護士 志賀剛一

ただし、客、従業員ともに20歳未満の立ち入りが禁止されます。もちろん、時間帯による分煙などは適用されないので、この選択をした店舗はランチタイムを含めて終日、20歳未満が立ち入れません。つまり、子連れのファミリー客、学生の一部は客層から除外されることになり、20歳未満のアルバイトを雇うこともできなくなるので、それを前提にした経営判断が必要となるでしょう。

ちなみに、20年4月1日以降に開業した飲食店では客席面積や経営主体の資本金にかかわらず、(3)の例外規定の適用はありませんので注意が必要です。

都条例、独自ルールで一段と厳しい内容に

さて、五輪・パラリンピックが開催される都が18年6月に成立させた「受動喫煙防止条例」は一段と厳しい内容となっています。都は受動喫煙を防ぎにくい弱い立場にいる従業員を守る観点から、改正健康増進法に上乗せをして独自のルールを定めました。

つまり、飲食店の面積には関係なく、従業員を雇っている店は原則屋内禁煙とするもので、都内の飲食店の実に約84%が禁煙にしなければならないそうです。もちろん、国の法律である改正健康増進法も重ねて適用されるため、例外として喫煙が認められるのは、従業員がおらず、かつ客席面積が100平方メートル以下で、個人や中小企業(資本金5000万円以下)が経営する店舗のみになります。

相談のケースについて、1人でも従業員を雇用していれば、東京都内で喫煙の店を営業することはできなくなります。全面施行は東京五輪開会直前の20年4月1日ですが、飲食店では19年9月1日から施設の出入り口に喫煙場所の有無に関する標識の掲示がすでに義務付けられています。

雰囲気の良さそうな店であっても、カウンターの横に座ったお客さんが喫煙し始めたりすると、私などはガッカリして長居したくなくなります。いろいろな意見はあるでしょうが、きれいな空気の中で美味(おい)しい料理と酒を楽しみたいものです。

志賀剛一
志賀・飯田・岡田法律事務所所長。1961年生まれ、名古屋市出身。89年、東京弁護士会に登録。2001年港区虎ノ門に現事務所を設立。民・商事事件を中心に企業から個人まで幅広い事件を取り扱う。難しい言葉を使わず、わかりやすく説明することを心掛けている。08~11年は司法研修所の民事弁護教官として後進の指導も担当。趣味は「馬券派ではないロマン派の競馬」とラーメン食べ歩き。
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