5年間の修行などをへてスペインへ

大学時代、学業も陸上の部活動にも熱意を持てず悩んでいたとき、祖母と両親と京都の東福寺を訪れた。そこで出会い、目を奪われたのが作庭家、重森三玲の方丈庭園だった。「それまで自分が抱えていた不安が一瞬で吹き飛んだほど気分が良かったんです」。昭和初期に作られた庭園がいまも変わらぬ端正な姿で残っている。その背後には重森の意思を受け継ぎ、生み出された姿のままに管理し、現代へと受け継ぐ努力を欠かさぬ人々がいる。「そう気付いた瞬間、日本文化を継承する仕事をしてみたい、と思いました」

「これまでは細身のスーツばかり着ていましたので、フォーマルな王道のスーツは新鮮です」

「庭師になりたい」と告げると、父は友人の盆栽愛好家を紹介してくれた。その人の兄が作庭家だったからだ。しかし「最近の庭師の仕事はそれほどやることがないよ」と言われ、むしろ、父の友人に案内してもらった盆栽に心を動かされた。埼玉県の加藤蔓青園に紹介してもらい、弟子入り。面接に訪れた日に師匠の加藤三郎さんはこう言った。「盆栽は今後もっと海外に出ないとダメだなあ」

5年間の修業期間をへて、その後1年間、専属の管理師として働いた。ただ「業界の体質は古く、このままでは僕の視野が狭くなってしまう危機感がありました」。ある人からマドリードで盆栽師を探しているという情報を得て、スペインに飛び、働き始めた。

SUITS OF THE YEAR 2020

新型コロナウイルスの影響で、2020年は初のフルCGで作成した会場でのバーチャル授賞式。
時代の節目に挑み、大切なメッセージを放つ5人を表彰した。

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「盆栽はかっこいい」日本人にこそ伝えたい
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