powered by 大人のレストランガイド

タピオカに長い歴史あり ブーム3度目「今年の一皿」

タピオカ粉入りクレープ・タピオカ添え(写真提供:ぐるなび総研)

次に登壇し、キャッサバの原産地であるブラジルでのタピオカの歴史を語ってくれたのは、ブラジルの現況を伝えるWEBマガジン「メガブラジル」の編集長である麻生雅人さんだ。

ブラジルの先住民族は、わかっている限りでは16世紀以前にはキャッサバを栽培し、そのイモを粉にして焼いて食用にしていたという。「タピオカ」の語源には諸説あるが、先住民族の言葉で「タピ」が「パン」、「オカ」は「家」。つまり「パンの家」という意味が有力と言われているそう。

タピオカ粉(写真提供:ぐるなび総研)

キャッサバの粉を焼いたものは長持ちするために、大航海時代には航海用の食料として重宝され、ブラジルとポルトガルやアフリカを結ぶ船によって広まったようだ。16~17世紀のポルトガル皇帝が食べた宮廷料理のレシピには、タピオカをプディングやコンソメスープの浮き実に使ったと書かれている。

現代のブラジルでは、タピオカの粉をクレープ状にし、肉やチーズ、ハムをはさんで軽食として食べたり、バナナ、キウイ、チョコレートなどを巻いてデザートにする食べ方が一般的だ。タピオカの粉をフライパンでクレープ状に焼くと、もちもちした食感が楽しめる。

ブラジルは国土が広いため、地域によって食文化が異なり、クレープにする食べ方は、先住民族の文化が色濃く残る北部・北東部で盛んだった。しかし、最近はタピオカ粉がグルテンフリーである点が注目され、都市部のおしゃれな飲食店でも提供され、ファストフードとしても利用されている。

また、イタリアからの移民の多かった南部地方では、タピオカパールがよく食べられ、タピオカパールを水に戻してゆでたものに、ワインと砂糖を煮詰めたソースをかけたり、そこにクリームを入れたりしてデザートにすることが多い。

さらに、最近のガストロノミー(グルメ)の世界では、タピオカパールをとった後の汁を発酵させてうま味成分として活用している。この活用法は先住民族にも用いられていたという。

さて、「今年の一皿」の準大賞に選ばれたのは発酵食メニューだ。これは味噌、しょうゆ、麹(こうじ)、ヨーグルト、納豆などの発酵食材・食品を取り入れた料理の総称である。

農林水産省が11月に開催した和食を広めるイベントでは、女子大学生が「タピオカお味噌汁」を提案して話題となった。くしくも「今年の一皿」と準大賞が組み合わされたメニューである。

ぐるなび総研の滝久雄社長は発表会で、「今年の一皿を選定することで、日本の食文化を育てることに貢献したい」と語っている。ブラジルでの例を見てもタピオカの食べ方は多様なので、今後どのように日本の食文化に影響を与えていくのか興味深いところだ。

(フリーライター 芦部洋子)

大人のレストランガイド

メールマガジン登録
大人のレストランガイド
ラーメン・レシピ・コンテスト
注目記事
メールマガジン登録
大人のレストランガイド
ラーメン・レシピ・コンテスト