家で過ごすのがストレス… 定年後の悲劇はこう防ぐ経済コラムニスト 大江英樹

では、こうした逆転現象を解消するにはどうすればいいのでしょうか。私が考える方法は2つあります。一つは言うまでもなく、家で過ごす時間をストレスにしないためには、家族、特にパートナーとのコミュニケーションを今以上に活発にすることです。とはいえ、別に無理をして夫婦共通の趣味を持つ必要はありません。趣味は違っても会話を絶やさないようにすれば、家で過ごす時間は次第にストレスにならなくなるでしょう。

おすすめは「シニアの手習い」

もう一つの方法、それは何か新しいものにチャレンジすることです。仕事、趣味、ボランティア、何でもかまいません。2017年11月16日付本コラム「シニアの手習い どうせ始めるなら縁遠いことから」でも紹介したように、自分とは最も縁遠いと思われることを趣味にしてみるというのも有効な方法です。なぜなら新しいことにチャレンジするのは、最初はうまくいかないため軽いストレスを感じるものだからです。大きなストレスは心身に負担をかけますが、適度なストレスはむしろ必要だということもよく言われます。

現役時代に重圧を背負って仕事をしていた頃のような激しいストレスではなく、新しいことに挑戦することでの軽いストレスはむしろ心地よく、家での生活も快適にしてくれるのではないでしょうか。またそれは同時に、忘れかけていた「学ぶ気持ち」を思い起こさせてくれ、素直に学ぶということが、ややもすれば独善に陥りがちな定年後のシニアを救ってくれることにもなるでしょう。

定年によって長い間の会社員生活でたまったストレスからやっと解放されたと思ったら、家庭にいることがストレスになってしまったという悲劇にならないよう準備をしておくことが大切ではないでしょうか。

次回の「定年楽園への扉」は2020年1月2日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/
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