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子育てと仕事両立は大変 イライラ防ぐ3つの「ない」

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

あけましておめでとうございます。真新しい年を迎えたあなたの心と体はお元気でしょうか? こんにちは、精神科医・産業医の奥田弘美です。

さて前回記事「子育てしつつ元気に働くには 子持ち産業医からエール」では、働きながら子育てするワーキングママ(パパ)に向けてのエールを書きました。現代日本において子育てしながら働いていくのは、いろいろ大変なことも多いですが、その頑張りは必ず報われる! 素晴らしい喜びや深い感動が近未来に待っている! ということを様々な例を挙げてお伝えしました。今回は、育児に仕事にと日々奮闘するワーキングママ(パパ)たちが、元気に頑張っていくための心の整え方について、より踏み込んだ具体的なヒントをつづりたいと思います。

合言葉は「焦らない」「比べない」「頑張り過ぎない」

前回記事でも触れたように、残念ながら現在の日本社会では、ワーキングママ(パパ)のストレス度は、そうでない人に比べてピンポイントではどうしても高くなってしまいがち。特に子供が生まれて小学校低学年になるぐらいまでは、子育てに多大な時間とエネルギーをとられるため、仕事や自分自身の時間が持てずにイライラしてしまうことも多いでしょう。

そんな時に、筆者自身は常に「焦らない」「比べない」「頑張り過ぎない」の「3つの『ない』」を自分に言い聞かせて心を整えるようにしていました。この「3つの『ない』」は産業医としてワーキングママ(パパ)にお伝えするたびに大変好評をいただきます。具体的に解説していきましょう。

まずは「焦らない」「比べない」から。子供が小さければ小さいほど、自分が思うように仕事ができません。ましてや自分を磨く時間などはめったにとれません。子供のいない同僚がハードワークをこなして華やかに活躍したり、研修や留学などの経験を積んでスキルアップしたりしているのを横目で見ながら、自分は時短勤務でそそくさと退社して子供のお迎えに行かなければならず、「このままでいいのだろうか?」とついつい焦ってしまう。あるいは、他人の昇進や表彰の噂を聞くたびに「同期の〇〇さんたちと比べてずいぶん差がついてしまった」と比べて落ち込んでしまう……。そんなふうにイライラしたり自己嫌悪に陥ってつらくなったりということは多々あると思います。

筆者自身も子供が小さい頃は、何度そんな感情を体験したことでしょう。同世代のドクターが研究成果を学会で華々しく発表したり、医療の最前線で活躍している姿を見たりするたびに、子供の迎えに合わせたパートタイムや時短勤務を細々と続ける自分と比べては、よく落ち込みかけたものでした。しかしそのたびに、人生の先輩たちからもらった珠玉のような言葉を思い出しては、「焦らない」「比べない」と自分自身に言い聞かせ、心を整えていました。

例えば筆者の尊敬する教授や上司からは次のような励ましをいただきました。

「あなたは今、日本の未来を担う人材を育てるというとても重要な仕事をしているんだよ。自分自身のやっている仕事を大きな目で眺めて、もっと誇りを持ちなさい」

「人ひとりを赤ん坊から育てあげて一人前にするという一大長期プロジェクトに取り組んでいる人とそうでない人とが、目先の仕事で差がつくのは当たり前。自分自身にもっとハンディを認めてあげなさい」と。

また幼児教育の専門家でもある先輩ママからは、下記のような助言を会うたびに頂きました。

「子供が小さいうちは、親の愛情は質だけじゃなくて量も必要なの。ママやパパがそばで見守ってあげているからこそ子供は安心して心も体も健やかに成長させることができるのよ。だから今は子供たちとの時間をできるだけ優先してあげて。たいていの仕事はあとから挽回がきくけど、子供に関われるのは今この時しかないのよ。焦らないで!」

親の愛情は質だけじゃなくて量も必要なワケ

この先輩ママのアドバイスは、今から思い返すと本当に貴重でした。彼女の言葉どおり、やはり子供と過ごす時間をある程度しっかり確保しておかないと、子供が放つSOSのサインに気がついてやることができないのです。

例えば保育園や学童保育から連れて帰ってきて、ご飯を一緒に食べたり風呂に入れたりしているなかで、「あのね、今日ね、○○くんとね」と友達とトラブルがあったことをポツポツと話し出す。10代になって思春期に入ってきた頃も、食後の後片付けをしている私の背中に向かって、「実はさ、この前こんなこと言われたんだけど」と心が傷ついた出来事を唐突に話し始める。

親が何となく元気がないなあ、様子がおかしいなあと感じて「今日何かあったの?」と尋ねても、子供はすぐに心の中を話してはくれません。言語能力が十分に発達していないため、すぐに感情を言葉にすることができないのです。子供は親と一緒に時間をゆっくり過ごしている中で、少しずつ自分の気持ちをまとめながら、自分自身のタイミングが整った時にようやく言語化してSOSを出してくるのです。

我が家では私か夫が夕食以後は必ず子供たちのそばにいることにしてきたため、このSOSを早めにキャッチでき、イジメや不登校などの問題に発展するのを食い止められたことが何回かありました。そのたびに「親の愛情は質だけじゃなくて量も必要」とはこのことなんだなと痛感することしきりでした。

最近の若いママ・パパと話していると、SNS(交流サイト)やインターネットを通じて私の頃よりもはるかに多くの情報に触れるようで、「他人のキャリアや子育てと自分たちを比べてしまって、落ち込む、悩む」という声をよく聞きます。そのたびに、私は「焦らない」「比べない」とわが身を振り返りながらお伝えしています。

他人は他人と割り切って、せっかく自分たちの元に生まれてきてくれた子供との時間をできるだけ確保して、一緒に楽しく過ごしましょう。多少手抜きした不完全な子育てでも、親がそばにいて見守ってあげていると子供は安心して、スクスクとたくましく成長してどんどん手がかからなくなってくるもの。とにかく今はできるだけ笑顔で子供と過ごせるように心がけましょう。ママとパパが笑顔で一緒にいてくれることこそが、子供の心の一番の栄養になるんだからね、と。

そのためにも、親自身が「頑張り過ぎない」ことが必要です。仕事も育児も完璧に! と頑張り過ぎてママ・パパが心身ともに疲労してしまうと、余裕がなくなって笑顔が減り、表情も態度もイライラ・キリキリしてきます。すると子供だけではなく、夫婦関係にも悪影響を及ぼしてしまいます。

自分の睡眠時間と食事時間はしっかり確保

繰り返しますが、子供はママとパパが笑顔で一緒にいてくれることが何よりうれしいし、精神的にも安心するのです。ママやパパが穏やかな笑顔で一緒にいてくれるからこそ、自分の悩みを安心して打ち明けることができるのです。だからまずは、ご自身の睡眠時間や食事時間をできるだけしっかりと確保してください。

特に子供が小さい時には、衣食住の世話に多大な時間と体力がとられます。家事で手抜きできるところは手抜きし、子供だけじゃなく自分もしっかり栄養をとって睡眠を1時間でも多く確保して、とにかく体力と気力を落とさないように心がけてください。

子育て中でも認められたいと、仕事でくれぐれも無理しすぎないように。睡眠時間を削ってヘロヘロになって仕事を頑張っても、結局体を壊してしまえば、会社にも家族にも迷惑をかけてしまいます。

「子育てで大変な時は、仕事でのスローダウンも必要」と、割り切ることが大切です。自分がその時その時に確実に無理なくできる仕事を請け合い、きっちりとコンスタントにこなしていく。そして子育てをサポートしてくれている会社や周りの人たちに「ありがとう」と感謝の気持ちを忘れないようにしながら、細く長く仕事人生を続けていく。すると徐々に子供が成長して手がかからなくなり、いつの間にか仕事にかけられる時間が増えて、再び全力投球できるようになっていきますから。そしてその時、子育てのために仕事をスローダウンした経験が決して無駄ではなかったことに必ず気づけますから。

どうぞ「焦らない」「比べない」「頑張り過ぎない」の3つの「ない」を心がけて、仕事と育児の両立を元気に無理せず続けていってくださいね。

奥田弘美
精神科医(精神保健指定医)・産業医・労働衛生コンサルタント。1992年山口大学医学部卒。精神科医および都内約20カ所の産業医として働く人を心と身体の両面からサポートしている。著書には『1分間どこでもマインドフルネス』(日本能率協会マネジメントセンター)、『心に折り合いをつけて うまいことやる習慣』(すばる舎)など多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げ日本人に合ったマインドフルネス瞑想(めいそう)の普及も行っている。

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