ミスや失敗に対する3段階のアプローチ

皆さんは例えば会社の業務でスプレッドシートで作業をしていて、「保存」をクリックした瞬間、そのスプレッドシートを参照していた別のファイルが壊れてしまった、というような経験はありませんか? ここでは、このような簡単な事例から、ミスや失敗への対処を見ていきます。

ミスや失敗への対処は、次の3段階で捉えます。

第1段階:気持ちの整理(冷静になる、「自分が」という気持ちを捨てる)
第2段階:実際のアクション(情報発信と謝罪、対応策の検討と実行)
第3段階:将来に向けて(再発防止)
ミスや失敗には3ステップで対処することで、周囲からの信頼を高めることができる

まず、第1段階。自分が「保存」をクリックしたことで別のファイルが壊れてしまったら、「あ、しまった!」「ヤバい……!」という焦りが生まれます。

多くの方は、このときに冷静な判断力を失ったまま、何とか対処しようとしてしまいます。例えば「戻る」を連打したり、パニック状態になってそのファイルを閉じてしまったり……。このような場当たり的な対応では、多くの場合、かえって傷口を広げることになりがちです。

ミスや失敗に気づいて心臓が跳ね上がったときは、まず一旦停止。それが鉄則です。

そして「自分がやってしまったことだから、自分がどうにかしなければ」という「自分が」という気持ちを捨てましょう。たとえあなたがしでかしたミスや失敗でも、会社や組織全体で見れば、あなたが一人で対処するのが最適かどうかはわかりません。「自分が」という気持ちを捨て、大きな視点で「どうすればこのミスの被害を最小限にとどめられるのか」と、ミスや失敗を捉え直すのです。

次に、第2段階です。最初の強烈な焦りが通り過ぎたら、ミスや失敗そのものへの対処をしましょう。今回のケースなら、上司やそのシートを使う人に報告・相談して指示を仰いだり、実際に手を動かしてファイルを直したりするのが、このフェーズです。

ここでのポイントは、「迅速に」「隠さず」対処すべし、ということ。そして謝るときの言い訳は厳禁。起こった事実を正確に伝え、事態の収拾に努めましょう。

第2段階でミスや失敗に関わる処理が終わったら、第3段階に移ります。そして、この第3段階こそが、先ほどのAさんとBさんの評価の分岐点となる、最重要ポイントです。

ミスや失敗は、どちらかといえば「いやな記憶」。誰でも思い出したいものではないと思います。特に、ミスや失敗を厳しく注意されたりすれば、一刻も早く忘れようとするのではないでしょうか。そうしてやっと忘れた頃に起こるのが、同様のミスや失敗です。

前述のBさんは、まさにこのパターンでした。ミスや失敗をして叱責されては忘れようとし、そしてミスや失敗をくりかえす。そうなれば、ミスや失敗のたびに評価が下がっていくのも当たり前です。

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ミスや失敗の「その後」が、あなたの評価を決める
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