2019/12/18

記事

固定期間選択型の場合、変動型のように返済額が5年間一定、1.25倍を上限とするルールがありませんので、固定期間が終了すると返済額が青天井で上昇するおそれがあるので注意が必要です。

金利上昇は当面の間はないと思われますので、金利が低いうちに元本返済用の手元資金をためておくのも一つの手です。

リスクその3:建物の劣化と修繕費用

住宅を購入するときは建物に不具合や欠陥がないかを気にするのに、購入後はほとんど気にしない人も多いのではないでしょうか。当然ですが、購入してからも建物の劣化は進みます。劣化を放置したままにすると、思いもよらない費用がかかってしまうこともあります。適時に少しずつ修繕し、メンテナンスをすることが結果的に最も低いコストで建物を維持できます。そのためには劣化の状況を広い範囲でチェックし、それぞれの劣化に対してどのように対応していくのがよいかを知る必要があります。

建物竣工時から15年以上、何も手を入れていないようならホームインスペクター(住宅診断士)や工務店、建築士などの専門家に相談してみるのも手です。的確なアドバイスをしてくれると思うので、検討してみるとよいでしょう。私たちが定期的に健康診断を受診するのと同じように、住まいも5年から10年に1度でもよいので定期的に診断してもらうと、結果的にリスクとコストを低下させることにつながります。

リスクその4:災害

19年は大型台風による浸水被害や土砂災害が多く発生しました。また、年末になって関東圏で地震が多発しており、地震災害への不安も再び高まっているようです。自身の住まいが水害や土砂災害のリスクにどの程度さらされているかは、浸水ハザードマップを見ればわかります。このコラムの「続発する洪水・浸水 防災サイトで自宅のリスク点検」でも説明しています。命と財産を守る意味でもぜひ、再確認していただければと思います。

このほか、災害リスクを確認する方法として、地理院地図をチェックするのがよいでしょう。地理院地図のウェブサイト(https://maps.gsi.go.jp/)から情報→ベクトルタイル提供実験→地形分類(自然地形)または地形分類(人工地形)と進んでみてください。この地図を利用すれば、誰でも住まいの地形の成り立ちや自然災害リスクの基本的な情報を知ることができます。このコラムの「住まいの災害リスク、簡単チェック ネットで地形把握」も読んでいただければと思います。

リスクを知れば、リスクは減る

「うちは大丈夫」と思い込んだほうが不安がなくなって楽だという人もいますが、それではリスクが顕在化せず、万一のときに対する手が打てなくなってしまいます。「うちは本当に大丈夫なのか」と考え、どのようなリスクがあり、どんな損害や被害を受けるおそれがあるのかを知り、そのための準備をすることでリスクを減らすことができるのです。

田中歩
 1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、ライフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインスペクション(住宅診断)付き住宅売買コンサルティング仲介などを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」に参画。