地価上昇も… あなたの住まいに忍び寄る4つのリスク不動産コンサルタント 田中歩

写真はイメージ=PIXTA
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2013年以降、金融緩和の影響もあって住宅地の価格、特に東京23区の価格は上昇を続けてきました。全国では19年以降、伸びが鈍化しつつありますが、こうした状況が続いていると不動産という資産に対するリスク感覚がマヒしがちです。市場のトレンドが良いうちに住まいを保有するうえでの4つのリスクを改めて確認し、自らの財産を守る意識を高めておきたいものです。

リスクその1:価格変動

日本の住宅価格には10年前後の周期があるといわれます。国土交通省発表の住宅地の平均価格の推移を見ると、平成バブルから08年までのミニバブルにいたる期間は15~18年程度なので、ミニバブルから現在まで10年あまりが経過したところで、今後どのような動きを見せるかは注目しておきたいところです。

価格が下がったとき、問題となるのは売却した場合の手取り額(売却価格から売却費用と譲渡税を引いた額)より残債務のほうが大きくなる場合です。こうなると、住まいを売りたいと思っても売れない状態に陥ります。

住まいを売る予定がなく、かつ借入金の返済に問題がない場合は特に問題はありませんが、何がしかの理由、例えば給与の激減などで住宅ローンの返済が難しくなったときなどは深刻です。特に自己資金(頭金)が少なく多額の借り入れをした人で、ローンの残債も多い場合は要注意です。

現在の住宅価格のトレンドは悪化している状況ではないので、心配な人は今から手元資金をためたり、比較的安全な金融資産で余剰資金を運用するなどの工夫を検討したほうがよいと思います。

リスクその2:金利変動

金利上昇は短期的にはないと思いますが、長期的にもないとは誰も言えないでしょう。全期間固定金利で借り入れしている場合は特に問題はありませんが、変動金利や固定期間選択型の場合は金利上昇の影響を受けることになります。

変動型は返済額が5年間一定、返済額が上昇する場合はそれまでの返済額の1.25倍が上限というルールにより、返済額の急上昇を緩和する仕組みとなっています。しかし、金利上昇の影響は受けますし、上昇が激しいと返済額より利払い額が大きくなる場合があります。この場合、元本返済は一切進まず、さらに未払い利息が積みあがっていく状態になるおそれもあります。

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