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爬虫類の宝庫ガラパゴス 3つの新種ヤモリを発見

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ナショナルジオグラフィック日本版

ガラパゴス諸島は、ゾウガメやウミイグアナなどユニークな爬虫(はちゅう)類で知られている。このリストに新種のヤモリが3つ追加された。そのうち1種は、1つの火山のみに生息する希少種だ。

米国とエクアドルの爬虫両生類学者から成るチームがウォルフ火山への過酷な遠征中、ユビワレヤモリの新種を発見した。ウォルフ火山はガラパゴス諸島最大のイサベラ島にあり、5つ連なる火山の中で最もアクセスが難しい。

爬虫両生類学者のアレハンドロ・アルテアガ氏は「遠征には膨大な費用と時間がかかり、到着しても、火山を登らなければなりません。火山を探索するのは本当に大変で、しかもチームは大所帯です」と語る。アルテアガ氏はエクアドルを拠点に研究とエコツアーを行う「トロピカル・ハーピング」の科学ディレクター。トロピカル・ハーピングはガラパゴス諸島の爬虫類を図鑑にまとめるため、全爬虫類の記録を3年にわたって主導した。

アルテアガ氏によれば、チームがウォルフ火山の調査に向かった目的はヤモリを探すことではなく、約10年前に正式に記載されたピンクのリクイグアナを写真に収めることだった。ただし、新種の爬虫類が見つかるかもしれないという腹づもりはしていた。

予感は的中した。研究者たちは、火山で見つかった新種をサビンユビワレヤモリ(学名Phyllodactylus andysabini)と名付けた。名前の由来は米国の慈善家アンドリュー・サビン氏。サビン氏の非営利財団から遠征資金の援助を受けていたためだ。ユビワレヤモリ属は、イチョウの葉に似た指をもつのが特徴だ。

複数の国際NPOから資金援助を受けた3年間のプロジェクトで、チームはガラパゴスに生息するユビワレヤモリの種数を12に増やした。1種を除いてすべてガラパゴスの固有種だ。

ガラパゴス諸島に固有の爬虫類は48種。そのうち約半数が危機にさらされているため、今回のような調査は極めて重要だ。固有種を深く理解し、どこに生息しているかがわかれば、科学者や政府はより効果的な保護戦略を策定できる。例えば、サビンユビワレヤモリの生息域は250平方キロ足らずで、溶岩流に襲われる危険が常にある(ウォルフ火山が最後に噴火したのは2015年)。

「しかも、一帯にはネコやクマネズミなどの外来種もいます。危険度を評価するなら、間違いなく絶滅危惧種です」とアルテアガ氏は話す。

さらなる新種

ウォルフ火山には、ピンクリクイグアナだけでなくベックゾウガメもいる。ここにサビンユビワレヤモリが加わり、イサベラ島北部のみに生息する爬虫類は3種になった。「なぜイサベラ島北部はこれほど特別なのか? この問いに答えられる人は(まだ)いません」

今回の遠征では、イサベラ島の新種として、シンプソンユビワレヤモリ(学名Phyllodactylus simpsoni)も記録された。この新種は2014年、エクアドルの爬虫両生類学者オマー・トーレス・カルバハル氏率いる遠征で発見された。しかし、正式に記載されていなかったため、アルテアガ氏らが再び発見し、今回の遠征を支援したエクアドルの自然保護団体「フンダシオン・ホコトコ」の創設メンバー、ナイジェル・シンプソン氏にちなんだ名前を付けた。

3つ目の新種マレスユビワレヤモリ(学名Phyllodactylus maresi)は厳密に言うと、新たに見つかったというより分類の変更だ。1973年、Phyllodactylus galapagensisの亜種として記録されていた。この亜種はその後、イタリアの実業家ルドビコ・マレス氏にちなんだ名前を付けられた。マレス氏は当時の遠征の支援者で、この亜種が発見されたサンティアゴ島近くの小島もマレスと命名されている。しかし、アルテアガ氏らがDNAの塩基配列を解析した結果、マレスユビワレヤモリは独立した種であることが判明した。

今回、マレスユビワレヤモリはサンティアゴ島とマルチェナ島の両方で発見された。2つの島は65キロほど離れている。もともとどちらの島にいたかは不明だが、遺伝子データから、2つ目の島で暮らし始めたのは過去50万年以内と判明した。

ガラパゴス諸島のヤモリを世界に

米マーケット大学の爬虫両生類学者のトニー・ギャンブル氏は今回の遠征に参加していないが、これらのヤモリが人知れず存在していたことは意外ではないと考えている。理由は極めて単純。旅行者や研究者はガラパゴス諸島の保護区に昼間しか立ち入ることができないが、ヤモリは夜行性だ。

「科学者や旅行者が立ち去ると、太陽が沈み、ヤモリが現れます。彼らの生態を考えると、(ヤモリは)ガラパゴス諸島で研究するのが特に難しい動物です」とギャンブル氏は言う。

アルテアガ氏らはこれらのヤモリとガラパゴス諸島の爬虫類の窮状に注目してもらうため、従来の科学誌ではなく書籍とオンライン・コンテンツという形で「Reptiles of the Galapagos(ガラパゴス諸島の爬虫類)」を出版した。

トロピカル・ハーピングの写真ディレクター、ルーカス・ブスタマンテ氏は「私たちの責任の一つは、科学を翻訳することです」と語り、資金援助者の多くが研究の最優先事項として科学コミュニケーションを挙げていると言い添えた。「これこそが環境保護の未来です」

(文 JASON G. GOLDMAN/訳=米井香織、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2019年12月2日付]

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