知識分野の跳躍がカギ 成功し続ける企業5つの原則リブロ汐留シオサイト店

ヤマハやリクルートの事例も検証

この見取り図をもとに、様々な企業の実例を見ていくのが本文だ。ヤマハのグランドピアノがスタインウェイの勢いを失わせたプロセス、1990年代にノバルティスとなるチバとガイギーとサンドが創薬分野で長期間の競争優位を保つことができたプロセス、先端技術分野とはほど遠いP&Gの発展史を支えた知識分野のリープ……。巧みなストーリーで語られるこうした事例がリープの重要性とその具体的なニュアンスを的確に描き出す。

ヤマハのほかにもホンダのバイク事業の米国進出やリクルートの雑誌からオンラインプラットフォームへの転換など、日本企業の事例も数多く取り上げる。企業だけでなく、ニューヨークのホームレスを減少させたプロジェクトなども取り上げながらリープのありようを説く。

事例を子細に読んでいくと、リープの芽は多くの企業で現場で生まれている。「イノベーションを起こせ」と上から言われることの多い昨今のビジネスパーソンにとって、この本は自分の仕事のナレッジを見つめ直すきっかけにできそうだ。「6日に入荷したばかりで、まだランキングには入っていないが、事例のおもしろさで読者をつかみそう」と店長の三浦健さんは期待している。

『1兆ドルコーチ』が3週連続のランクイン

それでは先週のベスト5を見ていこう。

(1)すごい準備栗原甚著(アスコム)
(2)21 Lessonsユヴァル・ノア・ハラリ著(河出書房新社)
(3)1兆ドルコーチエリック・シュミットほか著(ダイヤモンド社)
(4)反日種族主義李栄薫編著(文芸春秋)
(5)2050年のメディア下山進著(文芸春秋)

(リブロ汐留シオサイト店、2019年12月1~7日)

1位は日本テレビのプロデューサーの著書。5月に本欄「準備が9割 敏腕テレビマンが語る相手を動かす仕事術」で紹介した。会社が近所で本人がまとめて買いに来たという。2位は『サピエンス全史』のハラリ氏の最新刊。3位はグーグルのエリック・シュミット氏、アップルのスティーブ・ジョブズ氏、アマゾンのジェフ・ベゾス氏らのエグゼクティブコーチを務めたビル・キャンベル氏の哲学やコーチング手法をまとめた本。場所は違うが、本欄では3週連続のランクインで注目度が高い。4位には話題の『反日種族主義』、5位には11月に訪れたときトップだったメディア史の分岐点を探ったノンフィクションが入った。

(水柿武志)

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