水樹奈々 使うたびに初心に帰れるクッキングボウル

リラックマのシャープペンシルが扉を開く鍵

このボウルのように、大事に使い続けているものは、他にもあります。例えば作詞に使うリラックマのシャープペンシルは、15年前に原宿のキデイランドで、400円で買ったもの(笑)。ライブ前に気合を入れるために鳴らす鈴は15年前に先輩からいただいたもので、今もその鈴を鳴らしてからステージに立っています。

3年ぶりのアルバム「CANNONBALL RUNNING」の楽曲制作も、いつものようにリラックマのシャープペンシルが私の創作を助けてくれました。あのシャープペンシルが手元にないときは、絶対に作詞をしないと決めています(笑)。パソコンやスマホのほうが便利だと思いますが、作詞はやっぱり手書きがよくて。曲をいただいて、それを聴きながら自分の中から出てきた言葉を改めて書くことで、体に染み込むというか。肌になじむような感覚があるんです。

手書きすることで、何を発したいのか表現したいのかが明確になり、自然と導かれる気がする。不思議ですよね。もしかすると、ある種のゲン担ぎのようなものかもしれません。シャープペンシルが作詞の扉を開く鍵というか、スイッチが入るのは確かですね。

家庭では「ものを大事に使いなさい」といわれて育ったという水樹さん。ニューアルバム「CANNONBALL RUNNING」の楽曲制作でも15年間使い続けているリラックマのシャープペンシルが活躍した

20周年を駆け抜ける

新アルバムで「マーガレット」というウエディングソングにも挑戦しました。ここ数年、ファンの方から私がきっかけで出会い、結婚したというハッピーな報告をたくさんいただくようになって。そんなみなさんを祝福する曲を書きたいと思ったんです。サウンドもアコースティックでシンプルな仕上がりで、これも私にとっては新感覚でした。

今年の3月、1つの楽器と私の歌だけでセッションするという実験的な「ナナラボ」というライブを経験したことが、とても大きな刺激になって。より表現の幅が広がり、音楽への自由度が増したと感じます。その感覚をフルに生かして制作したのが今回のアルバムです。来年、アーティストデビュー20周年を迎えることもあり、はじめは15曲の予定が制作の終盤になって「20周年の始まりにふさわしく、“ナナ”にこだわって17曲にしよう」とプロデューサーから言われたときは衝撃的でした(笑)。

20周年を迎える2020年は、アルバムのタイトル通り、弾丸のように駆け抜ける予定です(笑)。そのためにも、食と運動で自分の体と心にしっかり向き合い、準備したいと思います!

ニューアルバム「CANNONBALL RUNNING」は12月11日発売。デビュー20周年となる2020年はアルバムのタイトル通り「弾丸のように駆け抜ける予定です」(笑)
水樹奈々
1980年1月21日生まれ、愛媛県出身。1997年に声優デビュー。2000年に歌手としてデビューし、声優アーティストとして歩み始める。2009年12月に「紅白歌合戦」へ初出場。2020年はアーティストデビュー20周年を迎える。2020年3月28日、地元・愛媛県武道館を皮切りに全国ツアーを開催する。同年11月には、キャロル・キングを演じる主演ミュージカル「Beautiful」の再演も決定している。

「CANNONBALL RUNNING」

「CANNONBALL RUNNING」(KICS-3884、3000円+税)

前作から3年ぶりとなる13枚目のオリジナルアルバム。自らが出演するアニメのオープニングテーマ『METANOIA』などのタイアップソングを含む全17曲。ライブの新定番曲になるようにと思いを込めた『UPSETTER』は水樹さん自らが作詞作曲を手掛けた、心励まされるアップチューン。

(文 橘川有子、写真 藤本和史)

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