世界株は波乱含み カギ握る米大統領選(藤田勉)一橋大学大学院特任教授

2020年の世界の株式相場にとって米大統領選は重要なテーマ(写真は19年6月、米フロリダ州オーランドの大規模集会で20年大統領選への出馬を表明するトランプ大統領)=共同
2020年の世界の株式相場にとって米大統領選は重要なテーマ(写真は19年6月、米フロリダ州オーランドの大規模集会で20年大統領選への出馬を表明するトランプ大統領)=共同

2019年の世界株は米国を筆頭に高値更新が相次ぎ、株式相場はおおむね堅調なまま取引を終えようとしている。20年の世界株を展望すると、筆者は引き続き米国のハイテク株を中心に上昇するとみている。

ただし(1)相場全体が高い水準にあり、強気な見方が支配的になっている(2)11月の米大統領選を巡って不透明要因が多い(3)米連邦準備理事会(FRB)が利下げを休止する姿勢を示している――といった理由から、株価は急落するリスクがあるだろう。筆者はこれまで世界の株価が下落するたびに強気で買いを主張してきたが、20年については強気一辺倒の見通しを立てていない。

まず足元の相場を長期的な視点から確認するため、過去10年の株価を振り返ってみよう。2010年代の米国株(S&P500種株価指数)は19年11月末時点で2.8倍に上昇し、欧州(STOXX欧州600株価指数)の1.6倍、日本(東証株価指数)の1.9倍を大きく上回った。10年代前半は08年に発生したリーマン・ショックの後遺症からの脱却期間であった。この時期に欧州ではギリシャを起点とするユーロ危機が発生し、日本では11年に東日本大震災が発生した。

長期上昇続く米国株

一方で米国はいち早く大胆な金融緩和を実施し、景気は回復に向かった。米国株は09年3月に底入れし、足元まで11年近く上昇している。これは1987年から2000年までの12年半に次ぐ上昇期間である。

現在の上昇相場が長期化している最大の要因は、IT(情報技術)革命が人工知能(AI)革命に進化しつつあり、米国のハイテク企業の成長が続いていることである。スマートフォンの時代が到来し、米国のIT企業に大きな恩恵を与えた。その代表格である米アップルの純利益は09年9月期の約9000億円から19年9月期には約6.1兆円に増加した(1ドル=110円換算)。時価総額は09年末の約21兆円から19年11月末で約131兆円と6倍強に増加した。さらに米マイクロソフト、米アマゾン・ドット・コム、米アルファベットも急成長した。

上昇相場が長期化しているもう一つの理由としては過去1年間のFRBによる大胆な金融緩和が挙げられる。19年7月から9月、10月と3会合連続の利下げに踏み切り、米中貿易戦争による景気悪化のリスクに先手を打ったことが奏功した。

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