PCでメモはNG 佐藤可士和流、結果の出る打ち合わせ『佐藤可士和の打ち合わせ』

「発言しない人」は参加を認めない

アドバイスの中には社会人として守るべきマナーや基本動作もたくさん入っています。入社間もない会社員や就活中の学生読者は、最初から一項目ずつ丁寧に読み進めてください。重要だと思う部分はマーカーを引いたりメモしたりするとよいでしょう。必ず、仕事に役立ちます。また、管理職クラスや中堅社員であっても陥りがちな「NG行動」について詳しく書かれています。「なぜだめなのか」をわかりやすく書いているので、参考にしてください。

例えば、「発言しない人は打ち合わせに出てはいけない」「NOと発言するなら、どんな立場であっても代案を出す」「5分前には必ず部屋にいる」「パソコンでのメモ打ちやスマホ操作をしない」などです。

パソコン作業はダメなの?と思う方が多いかもしれません。デメリットについて著者は次のように説明します。

最近では、打ち合わせにノートパソコンを持ち込む人が増えています。カチャカチャとみんながパソコンを叩きながら、打ち合わせをしている。打ち合わせで話し合われていることをメモしているのでしょう。
打ち合わせの議事録を作っておくことも大事なことではあります。しかし、これは議事録担当を一人作っておけば、済んでしまう話。みんなで議事録をカチャカチャと打ち込む必要などまったくありません。
打ち合わせは、ただ「聞く場」ではないのです。「考える場」であり、「しゃべる場」です。やたらとメモばかり取っていては、考えることができません。ましてや、しゃべることもできない。これでは、打ち合わせに参加していることにはなりません。
(RULE1 打ち合わせは「本音の真剣勝負」で臨め 33~34ページ)

社内で打ち合わせをしてはいけない?

無駄な打ち合わせをしないだけでなく、著者には「社内では基本的に打ち合わせはしない」というポリシーがあります。「意外に思われるかもしれませんが、僕たち『サムライ』では、いつも30を超えるプロジェクトが走っているものの、社内で打ち合わせはしません」というのです。

では、どうしているかというと、常時、密にコミュニケーションを図っているのです。例えば、僕はクライアントや社外のスタッフとの打ち合わせの合間に、少し時間を空けておくようにしています。その時間を使って、スタッフに声をかけるのです。
社内で(会社の規模によっては部署内で)「改めて」打ち合わせが必要、というのは、裏返せば、それだけコミュニケーションが密にできていない、ということなのかもしれません。常時コミュニケーションを図っていれば、打ち合わせは必要なくなります。
(RULE9 社内の打ち合わせはなるべくやらない 228ページ)

社内コミュニケーションは、内線電話をバンバン活用したり、空いてるスペースで立ち話したりするなどざっくばらんにやるべきです。著者は、楽天の三木谷浩史会長兼社長とオフィスデザインを話していたときのエピソードを紹介しています。社内の打ち合わせスペースをどうするかが話題になったとき、三木谷氏は「立ち飲み屋みたいなものがいい」と答えたそうです。

あなたの会社はどうですか。同僚同士、気軽に声をかける雰囲気はありますか。もし、そうではなくていちいち形式ばって話をしているとすれば、コミュニケーションの方法を工夫する必要がありそうです。「ささいなことでもきっかけを探して同僚に話しかける」「先輩社員に積極的にアドバイスを求める」……。あなたのできるところから、コミュニケ-ション作りに努めてみてはいかがでしょうか?

◆編集者からのひとこと 日本経済新聞出版社・森川佳勇

佐藤可士和氏の代表作『佐藤可士和の超整理術』は2007年、単行本として出版、その後「日経ビジネス人文庫」に収録され、単行本と文庫合わせて24万部強のベスト&ロングセラーに。お付き合いはそれからですが、続編の『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』(2010年刊、2016年文庫化)以来、新作リリースが途絶えておりました。

今回、日経ビジネス人文庫編集長の熱い思いが実り、「超整理術」「クリエイティブシンキング」に「打ち合わせ」を加え、「佐藤可士和の三部作」として打ち出せることに。

「打ち合わせ」は「超整理術」の延長で、どちらも徹底的な無駄の排除がテーマです。断捨離、ミニマリストを志向する方々に最適な書籍です。

一日に数百冊が世に出るとされる新刊書籍の中で、本当に「読む価値がある本」は何か。「若手リーダーに贈る教科書」では、書籍づくりの第一線に立つ出版社の編集者が20~30代のリーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介します。掲載は原則、隔週土曜日です。

佐藤可士和の打ち合わせ (日経ビジネス人文庫)

著者 : 佐藤 可士和
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 880円 (税込み)

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