2019/12/16

投資初心者、下げ相場への対応を考えておく

2020年に向けて心配なのは、この数年間にNISAやiDeCoを始めた「ビギナー」が多いことです。そうした個人投資家はリーマン・ショックを知りません。つまり、強烈な下げ相場を経験したことのない個人投資家がたくさんいることになります。

私は「もうけた経験」「損した経験」「値下がりしても売らずに持ち続け、市場が回復して含み損が消えた経験」という3つの経験を得て、投資家としてようやく一人前だと思います。これらを経験するには時間が必要です。

私個人の場合でいえば、IT(情報技術)バブル崩壊とその後の市場の回復を経験したことで、リーマン・ショックでいくら値下がりしようと「いつかは戻る」と信じて投資を継続できました。どんな含み損でも売りませんでしたし、むしろ積み立て投資を継続しました。もちろん、それが今の大きな含み益の源泉となっています。

投資において、理屈を学ぶことはもちろん必要ですが、経験は貴重な財産となります。そして失敗もその財産の一部です。しかし、まだ下落相場の恐怖を知らない初心者は、もしかしたら2020年は投資における「恐怖」や「損失」との付き合いを覚える大事な1年になるかもしれません。

もし、2020年のどこかで株式相場の下落が始まったとしたら、投資を続けられるかどうか、値下がりしても市場の回復を待てるかどうか、投資初心者は判断を迫られます。できれば、「損した経験」「値下がりしたが、市場が回復し含み損が消えた経験」をする好機と考えて、焦って売らずに投資を続けられるといいでしょう。

そして、「下がる未来」を今から想像しておければ、あなたは少しだけ余裕を持ってマーケットと向き合うことができるはずです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
 フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp