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やりたい仕事だからこそ 2人の女性が歩んだ軌跡

ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020

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NIKKEI STYLE

組織の中で自分のやりたい仕事を続けることは意外に難しい。女性誌「日経ウーマン」(日経BP)が選ぶ「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」の受賞者2人は、仕事を通じて本当にやりたいことを見いだし、努力を重ねている。

積み重ねが経営に生きる

サンリオエンターテイメント社長 小巻亜矢さん

「自分にやるべき仕事があるのか、不安より前に葛藤があった」。サンリオエンターテイメントの小巻亜矢社長は23年前、37歳で離婚した時のことをこう振り返る。サンリオを結婚退職してから11年間は専業主婦だった。この間に職場ではデジタル化が進み、仕事の手順は大きく変わった。英語は得意だったが資格を持っているわけではない。息子2人の子育て中で、働ける時間にも制約がある。

雑誌やチラシの求人を見ると、条件にあてはまる仕事はなかった。このまま働かずに支出を切り詰めて生活したほうがいいのか。自分が仕事をして生きていく意味を考えながらの職探しだった。

だから、当時愛用していた化粧品を販売する仕事に就いたときは、「ありがたい」と夢中で取り組んだ。「肌のことや商品のことを誰よりも知っていないと、自信を持って人に薦められない」。寝る間を惜しんで勉強した。

徐々に成績は上がり、顧客も増えたが、そこで気づいたのは「自分よりもっと大変な思いをしている女性がいる」現実だった。自身も次男を事故で失い、離婚するなどずいぶん苦しんだ。「でもお客様に話を聞くうちに、借金や暴力などで悩んでいる女性がたくさんいるとわかった。化粧品だけでは女性を幸せにできない。経済的にも精神的にも自立するためにサポートしたい」。目標が定まった。

コーチングやキャリアカウンセラーの資格を取るなどまずは勉強。やがて女性向けのセミナー事業を手掛け、子育て支援のNPOを立ち上げる。51歳で東京大学大学院教育学研究科に進学したのは「スペシャリストになるためにはアカデミックな下支えが必要」と感じたからだ。

修士課程を修了して教育関係の道に進もうと考えていた54歳の時、サンリオピューロランドの再建を依頼される。自分のやりたいこと、今までやってきたことが無駄になるのではないかと迷ったものの、実際にやってみると組織運営は人材教育そのものだった。朝礼を導入して社員同士の会話を増やし、社員一人ひとりと面談してアイデアを引き出し、形にしていく。

赤字続きだった施設は2年で黒字化し、2018年度の来場者数は過去最高を更新した。今は「これまで努力してきたことがすべて今につながっている」と感じている。

今年、サンリオピューロランドを運営するサンリオエンターテイメントの社長に就任した。社員の声を聞き、子どもの小学校入学前までだった時短勤務の利用可能期間を小学3年生修了に延ばし、テレワークを一部導入することを決めた。「管理職を増やすのも大切だけれど、まずは社員が辞めなくてもいい会社にしたい」と小巻さんは話す。

難聴者の視点、番組作りに

NHKディレクター 長嶋愛さん

「耳が聞こえなくてもできる仕事ではなく、耳が聞こえなくてもやりたい仕事にこだわった」。NHKディレクターの長嶋愛さんは文字通訳者と二人三脚で番組制作に取り組んでいる。

2歳で補聴器を着けた。「福祉というと日本ではかわいそうとみられがち。でも、人と違うことは悪いことではない。違いを認め合い、違うことの面白さを伝えたい」と考え、NHKに入局した。しばらくは補聴器で会話も取材もできたが、6年後にはほぼ聞こえなくなる。文字通訳のサポートを願い出たが、かなわなかった。

著作権管理や内勤の業務などを提案されたものの、「やりたい仕事ではない」。手術をして聞こえるようにする手もあったが、「聞こえる人に合わせたくない」。聞こえない人はどうやって社会で活躍していけばいいか、答えを求めて情報を集めた。しかし悩んでいる人の姿ばかりが描かれ、解決策は見つからなかった。

「やさぐれていた」時に出向いたろう学校が転機となった。子どもたちは「耳が聞こえなくてもテレビのディレクターになれる!」と目を輝かせる。嘘つきの大人にはなれない。ありのままの自分でやりたい仕事を続けるんだと覚悟を決めた。

まずは目の前の仕事に全力で取り組み、企画を出し続けた。「武器を持て」という上司のアドバイスを受け、手話も勉強した。会議の場では同僚が文字を起こしてサポートしてくれる。やがて文字通訳をつけることも認められた。

18年に放映された、東京都のろう学校・明晴学園を舞台にしたドキュメンタリー「静かで、にぎやかな世界~手話で生きる子どもたち~」がギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞した。現在は人気番組に新しい形で手話をつける取り組みを始めている。たとえば昔話を出演者が一人芝居する「おはなしのくに」。耳の聞こえないろう者が同じ衣装を着てせりふを手話で表現するのが特徴で、26日に放送予定だ。長嶋さんは「制作側に多様な視点を入れ、聞こえる人も聞こえない人も同じように楽しめる番組を作りたい」と話す。

先を見れば今も変わる ~取材を終えて~

「常に1年生の部分をもってほしい」。小巻社長のメッセージだ。「初心者なので教えてください」という謙虚な気持ちと、新しいことを知るわくわく感を絶やさないためという。しかし一体、何を新しく始めればいいのだろう。

小巻社長自身は今年、サンリオの創業者である辻信太郎氏からバトンを受け取り、これを機に事業継承の勉強を始めた。ハローキティをはじめとするキャラクターを生かすため「知的財産管理技能検定」取得に向けた勉強もしている。長嶋さんは手話を勉強し、手話放送に取り組む。今の仕事の先を見て勉強することで、目の前の仕事に対する見方も変わってくるのではないかと感じた。

(女性面編集長 中村奈都子)

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