ただ、もし「特許」を狙えるようなことをやりたいと思っている場合は、情報発信の範囲には注意が必要です。すでに世間に広く知られた「公知」と判断されてしまって特許が取れなくなってしまうことがありますから。SNSで発信した情報は、基本的に後から回収することができないので、取り返しのつかないことにならないように気をつける必要があります。

オンラインでの情報発信と同時にやっておくと有効なのが、「オフライン」での地道なプロモーション活動です。

私が効果的なものとしておすすめするのは「名刺」です。学生さんや会社員の方には、個人活動用の名刺を持っていない人が多いですが、これはもったいないことです。つかめるはずのチャンスを逃している可能性がありますよ。

会社の名刺では覚えてもらえない

必要なときは会社の名刺を渡せばいいと思っているかもしれませんが、会社の名刺を渡してもあまり自分(個人)のことを覚えてもらえないことが多いはずです。特に、たくさん名刺交換をした日などには、すぐに忘れられてしまいます。

何か自分で活動をしているならば、オリジナルの名刺を作っておくことをおすすめします。個性が演出できて、覚えてもらいやすいものが望ましいと思います。

ちなみに私が活動の初期に使っていた名刺は、裏面がかなりインパクトの強い写真になっていました。多少の怪しさもありますが、そのことで初対面の方は大抵笑ってくれて話のタネになりますし、いろんな名刺の中でも目立つので、後から連絡をいただける確率も高かったです(現在は、海外の方にアーティストとしてのコンセプトを伝えることを目的とした、異なる名刺になっています)。

会社の名刺と別に、個人活動用の名刺をつくっておくと便利だ

先ほどのウェブ制作の話と同様に、今は、そこそこ高品質に見える名刺がかなり安く早くできるサービスがたくさんあります。数百枚印刷してばら撒いたりすることが、とてもしやすくなっています。展示やイベントのときには名刺を大量に平積みしていますが、トレーディングカードっぽく見えるのかみんなにほしがってもらえますし、後から取材依頼や仕事依頼がガンガンいただけるので、オフラインで活動をプロモーションするには、かなりコストパフォーマンス(費用対効果)のいいツールだと思います。

ここに紹介した3つ以外にも、私自身はアーティストとしての活動をするにあたって、セルフマネジメントはいろいろとやってきました。例えば大手メディアに取材してもらえる確率を上げるための仕掛けを作ったり、SNSでニュース化しやすい作品を拡散させたり。でも、学生や会社員のレベルでやっている活動で、そこまでの大きなプロモーション展開が難しいような状況でも、お手軽に今からすぐにできることというのは結構あるものです。個人での活動を発信する際、最初に何からやればいいか見当もつかなくて迷っている方は、この3つからやってみてはいかがでしょうか。

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市原えつこ
メディアアーティスト。1988年愛知県生まれ。早大文化構想卒。日本的な文化・習慣・信仰を独自解釈し、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作。主な作品としては、大根を使った体験型コンテンツ「セクハラ・インターフェース」や、家庭用ロボットに死者の痕跡を宿らせ49日間共生できる「デジタルシャーマン・プロジェクト」(文化庁メディア芸術祭優秀賞、アルスエレクトロニカ栄誉賞)など。11月には東京・中野でキャッシュレス時代をテーマにした「仮想通貨奉納祭」を催した。 https://note.com/moja_etsuko

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