宇宙ステーションから
NASAの宇宙飛行士クリスティーナ・コーク氏が、タイムラプス撮影して1枚の写真に仕上げた美しい地球と星空。背景で星が円弧を描く。7月にナミビア上空を紅海に向かって飛ぶ国際宇宙ステーションから撮影された(Photograph by Christina Koch/NASA)
2019年、ブラックホールの初撮影など、天文の世界では様々な出来事があった。遠く離れた惑星の探索から、はるか彼方の天体の発見や超新星残骸の検出まで、心躍る偉業が相次いだ。近くでは、宇宙飛行士や人工衛星が、上空から息をのむような地球の姿をとらえた。
たくさんの宇宙に関係する写真が発表されているが、その中から荘厳さすら感じる画像11枚を厳選してお届けする。
次ページでも、火星や土星、そして宇宙からとらえた巨大ハリケーンなどの写真をご覧いただこう。2020年も、さらに私たちを驚かせてくれる画像が発表されるに違いない。
超新星の残骸
や(矢)座にある、地球から約2万光年離れた超新星残骸の着色画像。複数の宇宙望遠鏡と地上望遠鏡でとらえた赤外線とX線のデータを組み合わせて作られた(Photograph by NASA/JPL-Caltech/CXC/ESA/NRAO/J. Rho (SETI Institute))木星の荒々しい気流
木星北半球のジェット気流地帯「Jet N6」の印象的な画像。NASAの木星探査機ジュノーが撮影したRAW画像を使って市民科学者ケビン・ギル氏が作成。ジュノーは2月12日に18回目となる木星の接近通過を行い、このデータを収集した(Photograph by NASA/JPL)進化する天体観測法
チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)が、レーザー光線を用いて人工ガイド星を生成する。このガイド星を基準にして大気の揺らぎを測定し、望遠鏡の像を補正することで、より鮮明な天体画像が得られる。写真は3月に撮影された(Photograph by S. Stroebele/ESO)ブラックホールをとらえた
4月10日、世界8カ所の望遠鏡をつないだ地球サイズの仮想巨大望遠鏡「イベント・ホライズン・テレスコープ(ELT:事象の地平線望遠鏡)」が、M87銀河の中心にある超大質量ブラックホールの画像撮影に史上初めて成功し、その輪郭を明らかにした。このブラックホールの質量は太陽65億個分もある(Photograph by Event Horizon Telescope Collaboration/ESO)