金融から財政 軸足変更は「ほどほど」に(平山賢一)東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

写真はイメージ=123RF
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米連邦準備理事会(FRB)が再び金融緩和に転じ、米長期債利回りは2%以下で推移しています。米中対立のエスカレーション回避の観測を背景に金融市場では楽観ムードも台頭しています。とはいえ、米企業の企業業績は絶好調とはいえず、金融緩和によるPER(株価収益率)の上昇を原動力に米株式市場は上昇しているわけです。

株高基調も長期金利低下余地に限界

日本株市場でも、同様に低金利が続く中、米国ほどではないもののPERは切り上がっています。ただ、いざという時に長期債利回りに低下余地のある米国とは異なり、わが国では長期金利低下余地が乏しいと言わざるを得ません。

そもそも米国と異なり、長債利回り水準がマイナス圏にあるだけではなく、日銀がイールドカーブ(利回り曲線)を、長期金利ほど高い利回りになる右肩上がりにしようとしているため、さらなる金融緩和があっても、長期債利回りの低下幅は限られると考えられるからです。日銀は、長期債や超長期債の利回りが低下しすぎたことで、生命保険会社等のビジネスモデルや年金運用が限界を迎えているといった、金融緩和の副作用への関心を高めています。

益回りの示す限界

プロの投資家は、しばしばPERの逆数である「益回り(1株当たり利益÷株価)」と長期債利回りを比較して、株式市場と債券市場の間の割高・割安を判断するので、長期債利回りの水準に注目しています。例えば、いかに日銀が短期金利(コールレート)を引き下げたとしても、長期債利回りが低下しないとなれば、株式市場に魅力を感じることはありません。

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