打算婚や尽くし婚は悲惨 「パワーアップ婚」のススメ
「どんな相手と結婚すればいいのだろう」「結婚で人生が大きく変わったらどうしよう」――結婚について不安を抱えていませんか。そこでもっと自分らしく、パワーアップできる結婚「パワーアップ婚」をするための方法を恋愛コラムニストの神崎メリさんが指南します。
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働く女性から聞こえてくるのが、「結婚はしてみたいけれどちょっと不安」という声。好きな相手と家庭を持って、子どもを育ててという夢はあるけれど、もし相手が自分に家事や育児を押し付けて、キャリアを断念することになったら……。昭和、平成の時代に盛んにいわれたのは「高学歴、高収入男性との結婚が勝ち組」、これは今でも当てはまるの? 令和の時代に皆が求めている結婚について探ります。
相手次第で結婚生活は真っ暗闇に
「いつか結婚して子どもを産みたいけれど、自分の時間がなくなってしまうのではないかと不安」(28歳、女性)。「自分にとってどんな相手がいいのか、分からない」(26歳、女性)
「結婚したい」という気持ちはあるものの、自分の人生を大きく左右しかねないパートナー選びに不安を抱えている人も少なくありません。家事や育児を一手に引き受けることになり、自分のキャリアも諦めることになってしまうのでは? 相手の行動に振り回され、心身共に疲れてしまうかも……。結婚には期待と同時に、こんな不安な気持ちを併せ持っているようです。
実際に、恋愛コラムニストとして、多くのカップルを調査してきた神崎メリさんはこう警鐘を鳴らします。「万が一、自分のことを大切にしてくれない相手と結婚してしまったら、びっくりすると思いますよ。旦那というイキモノがこんなにも思いやりがなく、あなたに生活の面倒なことをすべて押し付け、自分は飲みに行くなど独身時代と変わらない生活態度で、好き放題するということに。それではあなた自身の人生のハンドルを夫に奪われてしまいます」
打算婚や尽くし婚は悲惨な末路が…
自分の人生のハンドルを夫に奪われてしまう――そんな危険な状態に陥る結婚とは具体的にどんなパターンなのでしょうか。
複数パターンありますが、共通項としてあるのは、「相手が大切にしてくれるかどうか」を置き去りにして、結婚してしまっていること。目立つのは「打算婚」。相手の収入や職業などの「スペック」に目がくらみ、周囲からどう見られるかで判断して結婚するパターンで、「スペック婚」ともいわれます。そして「もう他にはいないから」という自信の無さから尽くしまくり、家政婦状態となってしまう「尽くし婚」、さらに「結婚」という目的を達成するために必死になってしまい、自分の意見を無視して、なんでも依存した結果、相手をモラハラ夫に仕立て上げる「依存婚」……。
「こうした結婚をした結果、離婚という事態になったら、大切な数年間をつらい思いで過ごすことになり、もったいない話です。プライベートだけでなく、キャリアに支障が出てしまうことも。相手選びはくれぐれも慎重にしてください」(神崎さん)
【打算婚】スペックだけに目がくらみ相手が本当に好きではない。相手にも打算がバレてしまい、心が離れることに。自分の心にウソをついていることになるので、お互いに不倫や浮気などに走ってしまうことも
【尽くし婚】「他に相手がいないから、この人と結婚したい」という理由で相手に尽くしまくる。結婚後、尽くす生活は続き、生活の面倒なことはすべて引き受けることに。自身のキャリアを断念することになりかねない。
【依存婚】「なんでもいい」と自分で決めずに相手にすべてよりかかってしまう。相手をイラつかせ、心が離れてしまう。また精神的に依存しているケース、イライラしたときに激しく攻撃してしまう。これによって相手が心を閉ざし、破綻することに。
では、一体どんな相手と結婚すればいいのでしょうか?
「パワーアップ婚」って何?
「重要なのは、自分を『ど本命』として大切に考えてくれる相手です。冗談かと思うかもしれませんが、ど本命の相手なら、自分の要望を積極的にくんで、先回りして動いてくれます」と神崎さん。しかも、ずっと働き続けたいと考える女性であれば、相手に経済的な依存をせずに済むはず。昭和、平成の時代に理想の結婚相手の条件とされた高学歴や高収入を最重要課題として念頭に置く必要がなくなります。
実は、日経doorsが読者に対して実施したアンケート調査でも、結婚に経済力を求めている声はむしろ少数派。それよりも、「お互い刺激して成長し合える(ライバルタイプ)」「夫やパートナーに癒やしてもらう(癒やしタイプ)」「家事や育児などさまざまな面で支えてくれる(忍者タイプ)」「足りないところを補ってくれる(メンタータイプ)」など、自分自身が「パワーアップ」する結婚を望んでいることが分かりました。自分のことを気遣ってくれ、さらに高めてくれる相手であれば、結婚後の生活に疲弊するということも避けられます。それを「パワーアップ婚」と名付けて、理想のカタチを考えていきます。
【ライバルタイプ】お互い刺激して成長し合える
【癒やしタイプ】疲れたときに癒やしてくれる
【忍者タイプ】家事や育児を進んで引き受けて支えてくれる
【メンタータイプ】足りないところを補って、アドバイスしてくれる
結婚が仕事にプラスの影響を与えることも
「SNSなどでは『風邪をひいたときに俺のご飯は?と言われた』とか、『ツワリは病気じゃないと働かされた』など、結婚に関する恨みつらみがあふれているので、結婚に不安になる気持ちは分かります。ただ、結婚がうまくいっている人はあえて表に出していない場合が多いんです。自分のことを大切にしてくれる相手を見つければ、プライベートも仕事も驚くほどスムーズに進みますよ」と神崎さん。
結婚しなくても幸せになれる令和の時代。結婚するなら自分がもっとパワーアップできるパートナーを探してみては?
恋愛コラムニスト。男心と恋の話をInstagramとLINE公式ブログにて発信中。Instagram開設半年で、フォロワー7万人超えし、コメント欄には女性たちからの共感の声が殺到。恋愛や結婚に悩める、10代~50代の幅広い年齢層の女性たちから支持を集める。著書に「『恋愛地獄』、『婚活疲れ』とはもうサヨナラ! "最後の恋"を"最高の結婚"にする 魔法の『メス力』」(KADOKAWA)がある
(取材・文 飯泉 梓=日経doors編集部、写真/鈴木愛子)
[日経doors 2019年7月16日付の掲載記事を基に再構成]
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