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バターの逆襲 発酵やグラスフェッド、高級品が身近に

ハリウッドセレブから火がついたバターコーヒー。グラスフェッドバターを入れるのがお約束とか=PIXTA

最後に、日本のバターの消費の動向についてみておこう。農林水産省の「食料需給表」によれば、「国民1人1日当たりのバター消費量」は最新の2018年のデータで1.7グラム。2015年には1.6グラム、16年1.6グラム、2017年1.5グラムなので、わずかながら増えている。

別のデータを見る。総務省の「家計調査年報」の「2人以上世帯1世帯当たり年間バター消費量」の最新データは18年で503グラム。15年は459グラム、2016年は471グラム、17年は492グラムで上昇傾向にある。

Jミルクにその理由について聞いてみると「以前ほどの不足感がなくなったこと、料理での利用増などから消費者に見直され、消費量が増加したものと推測されます」とのこと。同法人は生乳及び牛乳乳製品の生産・流通の安定並びに牛乳乳製品の消費の維持拡大を図るための酪農乳業関係者による組織である。

バター不足は08年ごろから断続的に発生してきた。バターの原材料は牛から採れる生乳である。生乳は新鮮さが求められる牛乳や生クリームの供給量がまず最優先で確保され、これらが余ったときに保存用としてバターと脱脂粉乳が作られる。そのため後継者不足で酪農農家が減少とか、猛暑で生乳があまり採れなかったなどの理由で原材料が不足するたびにスーパーの棚から姿を消していた。

バターの輸入はコメと同じで日本の生産者を守るために制限されてきたが、農林水産省はバターの安定的需給を図るため17年度、18年度に1.3万トン、19年度に2万トンのバターの輸入枠数量を設定。以前のような不足状態はなくなってきたようである。

バター不足からバター離れが定着している印象を抱いていたが、流通量も確保され、世の食卓に戻ってきた模様だ。

今回紹介したように、バターと一口でいっても成分や製法、飼料、生産国、使い方によって種類はさまざま。軽い口当たりのものも増えてきて、バターは濃厚すぎると敬遠していた人にも好みに合うものがあるかもしれない。味の違いは食パンやフランスパンなどに塗って食べてみるのがわかりやすいだろう。いろいろ試して好みのバターを見つけてほしい。

(ライター 柏木珠希)


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