在職年金は収入多いと受給額減る 繰り下げも効果薄

長く働くなら在職老齢年金制度について知っておきたい
長く働くなら在職老齢年金制度について知っておきたい

働いて一定の収入があるシニアの年金を減らす「在職老齢年金制度」が注目を集めている。国の見直し案が批判を浴び、迷走したからだ。制度の認知度は高まったが、そもそもの仕組みをよく知らず、勘違いする人も多い。長く働くなら、繰り下げ受給など他の年金制度や雇用保険との関係も含め、知っておきたい。

「相談を受けた6人のうち4人は在職老齢年金について聞いてきた。そんなことこれまでなかった」と社会保険労務士の永山悦子氏は驚く。金融機関の支店で11月中旬に開いた年金相談会の出来事だ。相談者の1人は働いているために年金が全額支給停止となった60代。「少しはもらえるようにしたい」とやって来た。

減額された分は戻らない

在職老齢年金は1960年代に始まった制度。会社員らが入る厚生年金で、それまで退職を支給条件としていたのを、働いていても受け取れるようにした。収入が少ない人は全額もらえるが、多い人は減額(支給停止)するようにしたため、今では年金カットの仕組みのように見られている。

減額のルールはこうだ。月収と、計算上本来もらえる年金月額の合計が基準額を超えたら、超過額の半分を支給停止にする(図A)。基準額は毎年度見直され、今年度は65歳未満で28万円、65歳以上で47万円となっている。例えば65歳以上で年金月額10万円の人は、月収が30万円だと年金を全額もらえるが、40万円では8.5万円に減り、57万円超ならゼロになる。

今回この基準額の大幅な引き上げを国が提案した。減額ルールを緩和することで高齢者の就労を促す狙いだった。だが「高所得者優遇」の批判が強まり、結局65歳以上は47万円を維持する(65歳未満は47万円に引き上げ)見通しになった。

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