ダウンジャケットがトレンドアイテムになってから久しい。保温性の高さや一着でコーディネートが完成する手軽さが魅力だが、さまざまなブランドから提案されている中、理想の一着を見つけだすのは一苦労だ。今年らしいダウンジャケットとは何なのか、そしてダウンのコーディネートでトレンド感を出すにはどうすればいいのか。毎シーズン多くのダウンジャケットを展開する東京・高円寺のセレクトショップLampa(ランパ)の店主、遠山勇さんに話を聞いてみた。
トレンドアイテムから定番アイテムに
――遠山さんが接客をされていて、今年もダウンジャケットの人気は感じられますか?
「感じます。最近はビジネスのコーディネートがカジュアル化しているので、仕事用にダウンを選ぶ方が増えているのが理由だと思います。高価なものが多いダウンジャケットでも、オンオフ兼用となれば手が伸びやすいですから」
――休日から仕事まで、着用するシチュエーションが広がったということですね。
「そうですね。あとはやっぱり圧倒的な保温性も人気の理由かと。たとえ東京ではオーバースペックだとしても、それを持つことの安心感は何ものにも代えがたいですからね。それに、バサっと羽織るだけでコーディネートが完結するので、重ね着が苦手な方でも取り入れやすいのも魅力です」
――人気の裏にはさまざまな背景があるのですね。今年はどんなダウンジャケットがおすすめでしょうか?
「当店ではハイネックのダウンが人気です。首元にボリュームがあるとマフラーやネックウオーマーがいらないので合理的です。ただ、ロング丈からショート丈、見た目重視のものから機能性重視のものまで、ダウンのデザインは出尽くしているので、『これは』といえるほど目新しいアイテムはない印象です」
――逆にいえば、何を選んでも時代遅れにはならない。
「そうですね。ツルツルしたナイロン素材のものはスポーティーすぎるので避けるべきですが、最近はスポーツブランド以外ではあまり見かけないので心配ないと思います。あとはその人の雰囲気に合わせて、好きなものを選んでいただければ」
――それを聞くと安心できます。
「2019年はダウンという選択肢が特別ではなくなった年と言えます。トレンドアイテムを経て、定番アイテムに転換しつつある印象です」
――今シーズンらしいダウンの着こなしについて意識することはありますか?
「昨シーズンと同じで問題ないと思います。うちでの提案も大きな変化はないですから。これはどんな着こなしにも言えることですが、基本は堅すぎず、くだけすぎないバランス感を意識すれば大きな失敗をすることはありませんよ」