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あなたがカフェを開くとしたらどうする? いっそ猫カフェにする?

あなたがカフェを開くとしたらどうする? いっそ猫カフェにする?

「考えなきゃいけないことが多すぎて、どうしていいか分からない!?」――日々の生活や仕事の中で、こうした局面に出くわす人は多いのでは? そうしたときに役立つ考え方が「システム思考」です。今回は稗方和夫・高橋裕『システム思考がモノ・コトづくりを変える』(日経BP)から、システム思考の基本とともに富士フイルムの事業変革をシステム思考で解き明かした事例を担当編集者がご紹介します。

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いきなりですが、あなたが脱サラをして、少し気の利いたカフェを開くとしましょう。どこに、どのようなカフェを開きますか? ちょっと考えてみてください。

事業を起こすときには当然ですが、考えなければならない事柄が多岐にわたります。カフェを開店する場合には、立地、店の広さや内装、営業時間はもとより、コーヒー豆の品種や品質、カップのグレード(一般的なコーヒーカップか、高級な陶磁器にするか)、従業員の人数や給料など、検討すべき事項は下図のようにたくさんあります。いっそ、最近はやりの猫カフェや古民家カフェにしてもいいかもしれません。

検討事項が多すぎると、結局は「カンと経験」に頼りがちに…

検討事項が多すぎると、結局は「カンと経験」に頼りがちに…

一つひとつ順番に検討していけばよいのでは、と思われるかもしれませんが、得てして人は、決定すべき事項が多くなると「カンと経験」に頼るようになると言われています。一般に人は2~3個の事項が絡んでくると直感で物事を決めがちになり、判断力のある人でも7つを超えると論理的な判断が下せなくなるという研究もあります(*1)。(*1 George A.Miller, The Magical Number Seven, Plus or Minus Two Some Limits on Our Capacity for Processing Information

複雑すぎて、決められない

物事の判断を難しくしている要因の1つは、「複雑さ」です。検討事項が数多く、それらが相互に関連する――こうした複雑さにより、判断を迫られたときに「どうしていいか分からない」状態に陥りがちなのです。

カフェの例では、売り上げ金額を増やそうとした場合、最初に思いつくのは客単価を高くすることかもしれません。客数が変わらなければこれで売り上げ金額も上がりますが、そう簡単にいかないのは誰もが知るとおりでしょう。価格に敏感な学生をターゲットにしたカフェでは、来店者数が減って売り上げ金額が下がってしまうかもしれません。

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