シニアになってもつみたてNISA 資産寿命延ばす経済コラムニスト 大江英樹

例えば退職金を受け取って一度に投資をするのではなく、預金に入れておいてつみたてNISAで毎月一定額を引き落とし、投信を購入していくという方法は合理的です。イデコのように引き出し制限があるわけではありませんので、積み立てている途中でも家のリフォームや子供の結婚資金援助といった一時出費の必要性が出てきてもいつでも取り崩すことができます。日常の生活費とは別にこうした資金を積み立てておくことで心の余裕もできるでしょう。

医療・介護費の備えにも

また老後の支出で不安に感じるのが医療や介護にかかる費用です。これらは発生するかどうか分からないうえに、総額がどれくらいになるのか読むことが難しいからです。2017年11月2日付本コラム「老後最大の不安 医療・介護のお金はいくらかかる?」では、そうした金額はなかなか読めないものの、ひとつのメドとしては医療・介護合わせて約800万円と紹介しています。だとすれば、つみたてNISAで投資上限である年間40万円を毎年積み立てていけば、20年間で元本の総額は800万円となります。もちろん実際の運用結果はどうなるかわかりませんが、将来の医療・介護費用に備えて60歳から積み立て始めて80歳の時点で800万円の資産形成を目指すというのは選択肢になりそうです。準備を始めていること自体が将来の医療・介護費用を考える際に心強く感じられるでしょう。

このようにつみたてNISAは必ずしも若い人たちだけにメリットのある制度というわけではありません。おそらく19年末から20年前半にかけては、新しく改正される制度の概要が見えてくるようになると思います。そうした制度が本来持っている利用価値に注目し、シニアの人たちも積極的に活用することを考えてみてはいかがでしょうか。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は12月26日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年3.0 50代から考えたい『その後の50年』のスマートな生き方・稼ぎ方」(日経BP)、「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(同、共著)など。http://www.officelibertas.co.jp/
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