シニアになってもつみたてNISA 資産寿命延ばす経済コラムニスト 大江英樹

写真はイメージ=123RF
写真はイメージ=123RF

2014年から始まった少額投資非課税制度(NISA)、18年にスタートした積み立て型のつみたてNISAを利用する人が増えているようです。一般NISAの口座数は19年6月末時点で約1161万と制度導入時点の約475万から2.4倍に増えました。つみたてNISAはまだ147万ですが、それでも同じような長期の資産形成手段である個人型確定拠出年金制度(イデコ)の加入者が19年10月末で約141万人であることを考えると、まずまずの増え方と言っていいでしょう。

最近ではいずれの制度も改正案が出ており、12月中に策定する20年度の与党税制改正大綱への反映を目指すとの報道が相次いでいます。まだ詳しい内容はわかりませんが、23年末に投資期限を迎える一般NISAは28年まで延長し、低リスクの投資信託などに対象を限定した積立枠と上場株式などに投資できる枠の2階建てという仕組みにする方針のようです。

つみたてNISAも現在は37年までとなっていますが42年まで延長し、23年までに始めれば20年間非課税で積み立てられるようにすることを検討しているようです。いずれも投資家の立場からすれば税という大きなコストを軽減できる仕組みですから、いいことであるのは言うまでもありません。

資産の目減り、運用で抑える

ただ、これらの制度は「長期の資産形成」がキーワードとなっているため、一定の年齢以上のシニア層にはあまり関係がないと思っている人が多いかもしれません。特に定年になった人は、むしろそれまでに蓄えてきた資産をいかにうまく取り崩していくかということに関心の向かう人も多いでしょう。そのこと自体は否定しませんが、だからと言ってこうした資産形成の制度がシニア層には全く関係がないというわけでもありません。

シニア層にとって資産運用をする目的は投資で大きくお金を増やそうとか積極的にもうけようというよりも、将来にわたって自分の持っているお金の購買力を維持し、結果として資産寿命を延ばそうというところにあります。いくらお金を持っていてもインフレがもし進行すれば買えるモノの量は減り、購買力が低下することが予想されるからです。だとすればグローバルに分散投資ができて、その果実に対して非課税という制度の活用はおおいに意味があると言えるでしょう。

注目記事
次のページ
医療・介護費の備えにも
今こそ始める学び特集