生活費が一番厳しいのは30代 年功給与改革は進むか20代から考える出世戦略(73)

家族の標準モデルは4人だった

出生数が2前後に落ち着いた1970年頃、国の統計に「標準世帯」という用語が使われるようになります。それは男性が働き、妻が専業主婦となり、子どもは2人という世帯モデルでした。

堅苦しく言うと「有業の夫、無業の妻、2子」というこの世帯の形は1955年頃から増え始め、1960年頃には一番多い世帯モデルになっていました。そして1980年頃まで増加を続けてゆきます。

この頃の初婚年齢は男性27歳、女性24歳くらいです。となると2人の子どもが大学に入るタイミングは、両親が40代の頃ということになります。そのタイミングで生活費がかかるだろうから、若いうちは少し低めの給与にして、40代で子ども2人を大学に通わせられるような給与にしようという動きが加速したのがこの時代です。つまり、年功給与はこのタイミングでも強化されていったのです。

折しも男性の平均寿命が70歳くらいで、定年は55歳でした。だから40代の給与を増やしても、50代になると横ばいにして、すぐに引退してもらう構造になっていたのです。

家族が変わり、会社も変わる

40代で給与が一番多くなる年功給与の仕組みの背景には、高度成長期の日本を支えてきた家族モデルがありました。しかし今の合計特殊出生率はおよそ1.4。初出産年齢も女性30.8歳です。さらに寿命は男性で81.25歳、女性で87.3歳と伸びています。会社の定年もすでに70歳以上を見据えた検討が始まっています。

そのような状況で、年功給与は確実に姿を消してゆくことになります。

だからこそ私たちは、能力や成果を高めていけるような取り組みをしなければいけなくなるでしょう。

ぜひ今働いている会社の人事の仕組みだけでなく、多くの会社の人事がどのように変わろうとしているのかに興味を持ってみてください。

そうすることで、私たちの明日はよりよいものになるのですから。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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