有休とって在宅勤務も 20年は稼ぎ方の壁が崩れる考えておきたいお金の話(2)

もともと非正規か正規か、採用の「入り口」で人生が決定されることはおかしな話でした。それが是正されていくのも2020年の変化といえます。

また、「社会保険適用の拡大」という取り組みも非正規雇用労働者をサポートする大事な取り組みとして進んでいます。特に厚生年金保険の対象となることで、将来の年金収入を大きく上積みするチャンスが得られるからです。

厚生年金の適用範囲は拡大する方向で議論が続いています。ぜひ正規・非正規の壁はなくしていく方向に動いてほしいものです。

正規と非正規の間の「大きな壁」崩れるかも

正規・非正規の働き方については、個人的に注目しているテーマがもう一つあります。退職金という「壁」です。

正社員とそれ以外の形で雇用されている人との間には大きな壁があります。社会保険はその一つですが、適用拡大の流れの中でその壁は崩れつつあります。しかし、もう一つ大きな壁が残っています。それは退職金制度の適用の有無です。退職金制度は正社員が対象であると多くの企業は明記し、運用されてきたからです。

同一労働同一賃金の流れは、ひょっとすると退職金制度の適用範囲にも議論が及ぶかもしれません。実は非正規雇用労働者への退職金支払いに関する高裁判決が出ており、2020年には最高裁の判断が示されるかもしれないのです。

「老後2000万円問題」でも明らかになりましたが、公的年金以外の老後資金を考えるとき、退職金の有無は大きな差になります。「非正規には退職金を払わなくてもいいという壁」が2020年以降に崩れ始めるとしたら、これは老後の安心、豊かさの実現にもつながることでしょう。

もしかしたら、2020年は正社員かどうかという区別が無意味化していく元年となるかもしれません。

働き方と稼ぎ方について、来年も真剣に考えていく必要があるといえます。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp
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