世界が使う絵文字3000種超 行き違いや政治緊張も

携帯やパソコンでは日々、膨大な絵文字やスタンプがやり取りされている
携帯やパソコンでは日々、膨大な絵文字やスタンプがやり取りされている

日本で生まれ、世界で29億人が使うとされる文字を知っていますか。スマートフォンやパソコン上で日々飛び交っている絵文字です。文章に感情を付け加えられる便利さにより世界中で浸透した一方、拡大に伴う問題も生じているようです。

笑顔やハートを一文字で表せる絵文字は1990年代後半に日本の携帯電話が採用を始めました。2000年代に入ると海外メーカーにも広がり、スマホと共に世界中に普及しました。

異なるメーカーの端末でも同じ絵文字を表示できるよう、「ユニコード」と呼ばれる世界共通の変換コードが定められています。ユニコードが認める絵文字は現在3178種あります。10月にも「車椅子に乗る人」など168種が加わりました。

使う人が増えたことで、絵文字の解釈をめぐる行き違いも生じています。数年前からインターネット上で話題なのは、白い四角を赤いチューリップの花が囲んだ絵文字。ユニコードでは「名札」を表すとされ、幼稚園などでなじみのある日本人は何とか理解できます。しかし海外の人には厳しいようで、「豆腐が燃えているのか」といったおかしな誤解を生んでいます。

他にも「お願い」や「感謝」を表す手を合わせた形の絵文字も、海外ではハイタッチを表すという行き違いが有名です。国立情報学研究所の武田英明教授は「異なる文化の間で解釈がずれるのは絵文字の限界」と話しています。

政治的な緊張も生んでいます。10月、香港で使われる一部の端末で台湾の旗の絵文字が表示されない事態が話題となりました。以前から台湾を国家と認めない中国本土では表示されませんでしたが、香港は適用外でした。香港の民主化運動に対する中国政府の反発に「メーカー側がそんたくしたのではないか」との臆測につながっています。

こうした問題をどう考えたらいいでしょうか。90年代にNTTドコモで絵文字の開発に携わったドワンゴの栗田穣崇専務は「やむを得ない面もあるが、種類が増えすぎた。シンプルで皆が理解できる絵文字に絞った方がより普及が進むのではないか」と話しています。

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栗田穣崇・ドワンゴ専務「文字として割り切って使用を」
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