結婚しない人の増加などで単身世帯が増える中、「おひとりさま」の暮らしを見守るサービスが相次いで登場している。自動音声の電話で体調を確認したり、電気や水道の使用量を調べたりして、異常を感知したら家族らに連絡する仕組みだ。
電話に応答なければ家族らに通知
一人暮らし高齢者をはじめ、おひとりさまへの様々な支援をするホームネット(東京・新宿)。同社の「見まもっTELプラス」と契約すると、週に2回、利用者に安否確認の電話(音声ガイダンス)をかけてくれる。ガイダンスにしたがって「元気なのか」「体調が悪いのか」を選んで回答すると、その答えが家族ら指定された連絡先(最大5人)にメールで通知される。
応答がなかった場合は1時間後に再度、電話。それでも応答がなければ、そのことを知らせるメールが連絡先に届く。同社はこのほど、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の電球を使い、点灯と消灯を管理することで見守りをする「ハローライト」を試験導入した。24時間、点灯や消灯の動作がない場合、翌日、登録先のアドレスにメールで連絡が入る仕組みだ。
電気の使用量を管理することで見守りをする「見守り電気」を手掛けるのは、新電力のアイキューフォーメーション(東京・目黒)。利用するには同社に電気の契約を切り替える必要があり、その後は通常の電気料金に月額300円を上乗せして支払う。電気の使用量を人工知能(AI)が測定。普段と違う使用パターンが生じた場合、利用者の携帯電話に自動音声の電話がかかる。その電話にも応答がない場合は、家族などのメールなどに通知される。
孤独死防止、賃貸物件オーナー向けも
賃貸物件のオーナー向けに、孤独死を防ぐための取り組みをする会社もある。計測機器メーカーのClues(東京・千代田)が提供するのは水道メーターを利用した見守りサービスだ。集合住宅に見守り装置「CLASi」を取り付け、水道の使用量に普段とは異なる状態が生じたとき、オーナーにメールが届く仕組みだ。例えば、「72時間以上、水道が使われていない」「水道が1時間以上、断続して200リットル使用されているので漏水の可能性がある」など、異状を知らせるメールがオーナーや物件管理者、居住者らに届けられる。