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10分間のアロマ体験がヒット マッチとお香を一体化

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NIKKEI STYLE

日経クロストレンド

ドイツ・フランクフルトで毎年開催される、世界最大級のインテリア見本市「アンビエンテ」。2019年2月8~12日の期間中、「アンビエンテ トレンド」と銘打った特別展示があり、ある日本企業の製品が選ばれて話題になった。

特別展示は先進的な出展企業ばかりを集めた、いわばトレンドを先取りするゾーン。この注目を集めた日本企業が神戸マッチ(兵庫県太子町)だ。マッチを製造・販売する同社は今回、マッチとお香を組み合わせたアロマ製品「hibi」シリーズの新製品「deep.」を展示して来場者の関心を呼んでいた。

hibiは一見すると、黒いマッチのようだ。しかしマッチを擦るように火を付けると、立ち上るのは煙ではなく、お香の匂い。先端部はマッチと同じように着火部分だが本体がお香という、新しい発想から生まれた。専用の不燃マットが付き、その上にお香を置くだけ。燃焼時間は約10分だが、ディフューザーを使う場合と異なり、いつでもどこでも手軽に香りを楽しめる。

15年に発売して以来、同シリーズにはラベンダーやレモングラス、ティーツリーなどの香りの他、ヒノキや白檀(びゃくだん)、桂皮(けいひ)といった日本的な香りを持たせた製品もある。主なターゲットは20~40代の女性で、hibiは同社の売り上げの2割を占めるまでに成長した。新製品のdeep.はシダーウッドやオークモスなどの香りがあり、新しく男性向けの市場を狙った製品だ。

この他、「蔦屋書店」などデザインを重視する店舗からオリジナルの香りを持つ製品開発を依頼されるなど、おしゃれなアイテムとして注目されている。

お香メーカーと3年かけて開発

なぜhibiを開発しようと考えたのか。同社は1929年に創業し、企業名と同じく今でもマッチを作っている。だが需要は70年代がピーク。09年には戦後のレトロな図柄を生かしたマッチを開発するために「マッチデザインファクトリー」を立ち上げるなど、デザインとの関わりは深かった。しかし需要の減少を補完するまでには至らず、新たな製品を考える必要があった。

「マッチ製造は姫路地方の地場産業であり、火を付けるという技術を生かせないかと考えた。同じ地域の淡路島にはお香メーカーがあるので、そこと一緒に何かしたいと思ったのが開発のきっかけだった」(嵯峨山真史社長)。

淡路市にある線香作りの老舗企業、大発をパートナーに約3年かけて開発が始まった。以前から協力関係にあった神戸市のデザイン会社、TRUNK DESIGNも参加した。開発の焦点は、マッチのように擦っても折れない軸の強度と放香性の両立。太くすると折れないが、デザイン面ではマイナスになる。

おしゃれなアイテムにするならば、スタイルはマッチのようなものがいい。だが細いと折れてしまうため、100回以上も材料の配合などを変えながら試行錯誤を繰り返し、ようやく開発に成功したという。さらにブランドの世界観に合った香りの選択、ネーミングやパッケージなど、新しい香りの楽しみ方を生み出すデザインを考えた。

「伝統をアピールするのではなく、時代に合わせたテイストにしたかった。お香を日常で受け入れられるように、製品名もhibiと名付けた」と嵯峨山氏。ようやくマッチ棒と同じようになったとき、燃焼時間を測ってみると約10分だったという。そこでhibiだけでなく「10MINUTES AROMA」と分かりやすく表示した。マットの材料はお香メーカーによるもの。各社の知恵やノウハウによって生まれた製品だった。

デザイナーとのやり取りの中で、考え方が変わってきた。機能よりもコンセプト、そしてブランディングやプロモーションの重要性を理解するようになったと嵯峨山氏は言う。今まで生産設備に投資し、プロモーションは外部企業が担当していた。しかしhibiには自分たちの思いや考えを反映させたかった。

海外向け売り上げが約3割占める

完成した試作品を大阪産業創造館のイベントに14年に出展。そこで注目されて15年2月に雑貨見本市の「ギフト・ショー」に出したところ、一部店舗で取り扱いが始まり、ライフタイルの雑貨を販売する店舗を中心に展開していった。感度の高い人にアピールするため、販路をむやみに広げず、蔦屋書店の他にも、インテリアショップの「ACTUS(アクタス)」などhibiのブランドに適した店舗だけに絞ったという。

海外向けも積極的に展開しており、16年1月にパリの「メゾン・エ・オブジェ」を皮切りに出展を続けた。その結果、フランスに代理店もでき、18年の売り上げの約3割が海外向けになった。そこで19年はドイツのアンビエンテに出展し、さらなる海外展開を狙った。

ここまでできた背景には、公的機関からの補助金の活用もあったという。生産設備への投資やPRに加え、海外イベントへの出展には、ジェトロの海外支援プログラムを利用した。デザイン投資に対するリスクを前向きに捉え、公的な補助金も前提に投資計画を立案するなど積極的に実行してきた結果が市場開拓につながったようだ。

(日経クロストレンド 大山繁樹)

[日経クロストレンド 2019年11月25日の記事を再構成]

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