「即位の礼」 世界のロイヤルファミリー、装いの優雅

2019/12/10
ラグビーW杯ウェールズ代表選手たちを激励に訪れた英国のチャールズ皇太子。ブルーにチョークストライプ柄のスーツは、英バッキンガム宮殿で行われた叙任50周年の時と同じ一着(10月23日、東京都港区)=代表撮影
ラグビーW杯ウェールズ代表選手たちを激励に訪れた英国のチャールズ皇太子。ブルーにチョークストライプ柄のスーツは、英バッキンガム宮殿で行われた叙任50周年の時と同じ一着(10月23日、東京都港区)=代表撮影

今年もあとわずか。トランプ米大統領の連続訪日など、2019年ほど世界のVIPが日本を訪れた1年も珍しい。20カ国・地域首脳会議(G20サミット、6月)が国際的な指導者の集まりならば、10月の「天皇即位礼正殿の儀」は世界の元首・王族が中心だった。その優雅な立ち居振る舞いには、学ぶべき点が少なくない。メンズファッションの目利きに分析してもらった。




「スーツが肌の一部のようになじんでいる」チャールズ皇太子

最も注目を集めたのは、やはり英国のチャールズ皇太子だ。1948年生まれの71歳。環境問題などに熱心に取り組んでおり「プリンス・オブ・サステナビリティー」の異名も持つ。30年前に続いて、即位式への唯一の連続参加となった。「ロイヤルスタイル 英国王室ファッション史」などを著した服飾史家の中野香織さんは「すでにスーツは肌の一部のようになじみきっていて、キング・オブ・メンズスタイル」と評価する。

「即位礼正殿の儀」に参列した英国のチャールズ皇太子(10月22日)=代表撮影

公務をこなす合間をぬって、都内の寺社や美術館、百貨店などを回ったチャールズ皇太子は、ラグビーワールドカップ(W杯)のウェールズチームも激励した。「ストライプのスーツは新調していない普段着だが、その風情がまた良しという余裕を漂わせている。靴も何年もはき込んで、なじませたものだった」と中野さん。

このブルーにチョークストライプ柄の一着は、英バッキンガム宮殿で行われた叙任50周年の時などと同じスーツだった。ここにチャールズ皇太子の流儀が凝縮されていると、英国屋(東京・中央)の小谷邦夫副社長は指摘する。(1)ジャケットは3つボタンの中掛け(2)フラップのついていないポケット(3)肩のラインは自然にまとめてパットは薄く(4)袖は細くスタイリッシュに――などだ。

ラグビーW杯ウェールズ代表選手たちと談笑する英国のチャールズ皇太子。「ラグビー場に登場した際の姿はクールそのもので圧倒された」(中野香織さん)=代表撮影

さらに「シャツはワイドスプレッドで、ネクタイは常に小さなノットで決めている。ラグビー場に登場した際の姿はクールそのもので圧倒された」と手放しで褒めている。

ただ年齢を重ねるにつれて、「モダンブリティッシュから伝統的で重厚なロイヤルブリティッシュに軸足を移しつつある」と柴田音吉洋服店の5代目・柴田音吉社長は分析する。高めの位置に設定したボタンやウエストラインでよりシャープさを強調するのがモダンブリティッシュの特徴だ。「むしろ欧州大陸の各王室でモダンブリティッシュを取り入れている。中でもルクセンブルク・アンリ大公の着こなしはずぬけていた」と柴田氏。

SUITS OF THE YEAR 2019
男と女 ときめくギフト
Watch Special 2019