機能あふれる本格派 タウンユースにも便利なダウン
いよいよ寒さも本番といった季節になってきた。グースやダックの綿毛(ダウン)や羽根(フェザー)を使用したダウンアイテムは軽量で暖かいのが特徴。アウトドアで便利な防寒着でかつ、タウンユースにも優れたアイテムを紹介する。
防水透湿素材を使用したダウン
グローバル ダウン コート(税込み4万6200円)
https://www.karrimor.jp/category/ITEM_003_002_001/100739.html
ダウンの暖かさは、詰めたダウンがどれくらい膨らんでそこに空気をため込む(空気の層を作る)かで決まる。その膨らむ能力をフィルパワーといい、一般的には600フィルパワーあれば十分といわれている。カリマーの「グローバル ダウン コート」は、650フィルパワーのダウンを内包し、表地に防水透湿素材である「Weathertite 2L」を採用した保温性に優れたダウンコードだ。
コートの6カ所にポケットが備わっており、地図や手袋、スマートフォンなどの収納ができる。フードも襟に収納でき、ビジネススタイルでのスタイリッシュさに貢献する。他のアウトドア然としたダウンジャケットと比較して着丈も長くシンプルなデザインで、スーツに合わせても違和感のないスタイル。キャンプや旅行、通勤時とマルチに着用できる。
突然の雨や着用時に発散する汗などの湿気によってダウンをぬらさないので暖かさが持続する。
幅広い温度に対応するダウンコート
マウンテンダウンコート(税込み7万9200円)
https://www.goldwin.co.jp/tnf/ec/pro/disp/2/ND91935
ビジネスやカジュアルに応じてコーディネートを変える人でも、防寒着となるとバリエーションを増やすのが難しいという人も多いだろう。中綿などで服自体がかさばったり、夏物と比較してコストもかさんだりするのでそれぞれに買いそろえるというのも大変だからだ。できれば一つで冬シーズンを過ごしたいという人に適しているのがザ・ノース・フェイスの「マウンテンダウンコート」だ。
表地に2層式のゴアテックスを採用し、雨などのぬれ、発汗などの透湿でダウンがぬれるのを防ぐほか、アクリルファーが極寒の冷気から顔を守ってくれる。ファーは取り外し式なのでビジネスシーンでは取り外してスマートに着こなすなどバリエーションもつけやすい。
上下から開閉できるダブルジッパー、豊富なポケット、袖や裾をドローコードやアジャスターで調整できるなどアウトドアシーンを想定した作り込みもしっかりとしている。
スポーツ観戦や初詣など、寒い季節のお出かけにもぴったりのコートと言える。
どこにでも持って行ける軽量パッカブルダウン
メロン イン フーデッドジャケット(税込み5万3900円)
https://www.mammut.jp/items/1013-00740
ダウンウエアは着ないときにかさばるのが難点だ。マムートの 「メロン イン フーデッドジャケット」は、中綿のダウンが透けて見えるほど薄いシェル(生地)に、900フィルパワーのグースダウンを110グラム使用したダウンジャケット。表地は極薄ながらはっ水性に優れ引き裂きに強いリップストップナイロンを採用。2つのサイドポケットとインナーポケットなど収納力も十分だ。
さらに、使用しないときはインナーポケットにジャケットを収納できる仕組みになっている。
アウトドアでは、ザックの中にコンパクトに収納しておき、休憩時やテント内などでの防寒着として使用、タウンユースでもカバンの中に忍ばせておいて外出時に寒かったら羽織るという感じで使用できる。
パッカブルと思えないくらいの暖かさが魅力である。
1000フィルパワーの高品質ダウンパーカ
イグニスダウン パーカ(税別3万3000円)
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1101594
700フィルパワーが高品質ダウンと言われるなかで、1000フィルパワーもの保温力を発揮するダウンウエアが、モンベルの「イグニスダウン パーカ」だ。
最小限の縫い目で中綿の偏りを防ぐ縫い目のデザイン、防風性能と透湿性能を併せ持つ「ゴアテックス インフィニアム」を表生地に採用し、高い保温性能を発揮する。
アウトドアではアウターシェルの下に着込むことができるほどの薄さで、タウンユースではジャケットのうえから羽織って暖かさを確保する。3年の保証期間も心強い。
中に着てもよいカーディガン
ダウンカーディガン(税別2万2300円)
https://nanga.jp/product/wear/tops/down-cardigan/
自宅と勤め先などの往復がメインでそれほど外に長時間いないという人でも、冷え込みが強い日や、たまの外出などにはいつもよりちょっと暖かさが欲しい。また、室内の空調設定によっては少し肌寒いな、というときもあるだろう。ナンガの「DOWN CARDIGANダウンカーディガン」は、770フィルパワーのダウンを50グラム使用した極薄、軽量のダウンカーディガンだ。総重量で200グラムほどと軽量で収納時はコンパクトに持ち運べるほか、スーツの下に着ても大丈夫なほど薄手なのが特徴。
ダウンはぬれると潰れ、空気をため込むスペースがなくなってしまうので、暖かさが失われてしまう弱点がある。ナンガのダウンは、超はっ水加工が施されており汗や雨などのぬれにも強く、ダウンシュラフ(寝袋)でも登山家の根強い信頼を得ている。ダウンカーディガンに採用されているダウンも超はっ水加工が施されているので、万一ぬれてしまっても暖かさを維持してくれることだろう。
軽快さを損なわないダウンベスト
メンズ・フラッシュベスト(税込み2万9700円)
https://www.lostarrow.co.jp/store/g/gWM60504002005/
ダウンジャケットは、ダウンを多く使って暖かいものほど肩まわりや腕の取り回しが悪くなってしまうのが難点だ。ウエスタンマウンテニアリングの「メンズ・フラッシュベスト」は、850+フィルパワーのグースダウンを35グラム使用し、総重量がおよそ140グラムという軽量なダウンベストだ。
体幹を冷やさないことで、寒さを軽減できる。薄手でVネックなので、寒い日にはジャケットの下に着込むこともできるかもしれない。もちろん、アウトドアでは登山やクライミングなどの激しい運動でなければ着たまま過ごすなど暖かさを維持したい人にも適しているだろう。
室内や春先などは、シャツの上に着用することで、快適な暖かさをコントロールする役にもたつことだろう。
ぬれても保温性能を失わない化繊保温ウエア
ポリゴン2UL(税込み2万1780円)
https://www.finetrack.com/products/l3-midlayer/polygon2ul/
最後に、ダウンを使っていない防寒ウエアを紹介する。
ダウンの弱点はぬれると潰れて保温性能を維持できないことにある。そこで、ダウンの代わりに100%化繊素材を使うアプローチをしたのがファイントラックの「ポリゴン2UL」だ。シート状の立体保温素材「ファインポリゴン」を採用し、軽量で暖かく、水ぬれに強いという相反する性能を実現したものだ。
ファインポリゴンは、極薄の合成繊維をシート状に加工し、シワ加工によって立体構造に仕上げたもの。形状保持加工されているので、あたかも紙を丸めてゆるく戻したようなクシャッとした状態を常に保っている。この復元力が生み出す空気の層がダウンと同じような働きで暖かさをもたらすというものだ。
一方で、水ぬれの際にも含水しにくいので、保温力を維持できるという特徴を持つ。雪山などでは、ダウンジャケットを着たまま行動すると、汗でぬれ、保温性能が高すぎてさらに汗をかくことから奨励されないが、化繊素材のダウンはぬれに強いという面で選ばれることがある。タウンユースでは、暖房が強い混雑時の通勤電車で揺られた後、寒風吹きすさぶホームに放り出されるということもあるが、そういった暑くて汗をかいた後、寒い場所に出る場合でも一定の保温力を確保できるのがありがたい。
アウトドアウエア由来の、蒸れを防ぐベンチレーターが備わっており、収納袋にコンパクトに収納できて軽量。不要の際はカバンにしまっておいてもじゃまにならない。
(ライター 戸津弘貴)
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