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好きなクラフトビール好きなだけ タイトーが量り売り

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「食(イート)」と「遊び(エンターテインメント)」を融合させた「イータテインメント施設」を標榜する飲食店「EXBAR TOKYO(エクスバートーキョー)」が11月13日、東京・銀座で開店した。立ち上げたのがタイトーと聞けば、なるほどと思う。同社は1978年にスペースインベイダーで一世を風靡して以来、日本のゲーム事業界に君臨している。創業は53年で、輸入雑貨類の販売、国内初のウオッカの醸造・販売を手掛ける会社の設立(当時の社名は太東貿易)、翌年にはジュークボックスの賃貸事業を開始するなど、ゲームにとどまらない幅広いエンターテインメント、「コト消費」に貢献してきた。

この店の最大の特徴は、今日本を含めて世界中で人気となっているクラフトビールをとことん楽しめるシステム「エクスサーバーシステム」が導入されたこと。ビール関係者からも注目を集めているこのシステムは、客が自分で注ぐビールサーバーで、ビールの量を自動的に測定し、量に応じた料金が決済できるというもの。このシステムはもともと米国発祥で、米国での導入は進んでいるが、タイトーが「エクスバートーキョー」の出店に当たり、日本で初めて自ら開発した。

このシステムには18のタップ(ビールを注ぐ蛇口、カラン)が設置されており、18銘柄のクラフトビールが提供される。客が入店時に渡されるICリストバンドを飲みたい銘柄のタップの上部にかざすと、銘柄名と1ミリリットル当たりの料金が表示されるので、タップを引いてビールを注ぐ。飲みたい量がグラスにたまったらタップを戻す。つまり、好きな量だけ、客が自分で注ぐことができるのだ。ビールの料金は、退店時にほかに注文した料理などと合計され、請求額が提示される。

このシステムが画期的だと思うのは、クラフトビールを少量ずつ何種類も楽しめるところではないだろうか。クラフトビールばやりで、様々な銘柄がお目見えしているものの、ビールはどうしてもおなかがいっぱいになってたくさん飲めないという人もいる。あるいは、これまでにない味に挑戦してみたいと思っても、実際に自分の好みでない味だった場合、飲み切れないということもあるだろう。その場合は、試しに少しだけ注いで味見をすることができる。

また、会計時にグループでまとめて支払いをお願いしても、飲んだビールの銘柄ごとの料金明細を出してくれるので、グループでたくさん飲む人と少ししか飲まない人がいても、それぞれ飲んだ量に応じた料金を支払うことができる。全体を人数分で割った会費で、「割り勘負け」する心配もない。スマートな会計ができるのもメリットなのだ。

筆者も発表会で、さっそく体験してきた。店で貸してくれるグラスを手に取り、飲みたい銘柄のタップの前に陣取る。その後ICリストバンドをタップの上の黒い部分にタッチしてからタップを手前に引くと、ビールが出てくる。世界のビール市場の中で、日本が先行しているのが注ぎ方の多様性であり、様々な方法が提唱されている。筆者はバナナやスパイス、薫製の香りがするビール以外は、泡を立てない注ぎ方が好みなので、盛田金しゃちビールの「ミツボシピルスナー」(100ミリリットル423円・税別)などは、思いっきり泡を少なくして注いでみた。様々な銘柄を自分の好きな注ぎ方で気兼ねなく楽しめるのは、このビールサーバーならでは。

発表会で提供されていた銘柄のうち印象的だったのは、北海道江別市でつくられているノースアイランド「IPA」(アルコール度数7%、100ミリリットル403円・税別)。グレープフルーツのようなホップの香りと苦味をはっきりと感じる。静岡県伊豆の国市でつくられている反射炉ビヤ「駿河湾の井田塩ゴーゼ」(アルコール度数5%、100ミリリットル366円・税別)は、酸味と塩由来のうま味が感じられるまだまだ珍しいスタイルのビールだった。

当日提供されたビールのほとんどが小規模ブルワリーによるクラフトビールであり、大量生産銘柄と比べると高価。これまで筆者が全国で見てきたクラフトビールを提供する常設店舗のなかでも、最も高い部類だといえる。それを指摘する声がSNS(交流サイト)などでも上がっていたが、それでもなお、気になる銘柄を少量試したり、好みの注ぎ方で飲んでみたり、さらには店内設置のゲーム機を無料で遊べるというのは利点であると感じた。

ところで、「エクスバートーキョー」ではなぜ、このシステムを自社開発してまで、導入したのか。タイトーの山田哲社長に聞くと、「まず、店名の由来からお話しすると、EXBARは『E』×『BAR』。EにはExperience(体験)やEntertainment、Extraordinary(非日常)という意味を込めています。もともと、ゲームと飲食を楽しめる業態の模索から始まりました。ゲームを楽しみながら食事や仲間と語らう場のある米国の店舗をいくつか視察したところ、セルフ型ビールサーバーを発見し、まさに目指していたものだと思いました。言語にも関係なく楽しめることも、大きな導入の要因でもあります」

当面、クラフトビールは小規模も大規模も含めた国産銘柄にする予定だが、将来的には海外銘柄の採用や、つくり手を招いてのイベント開催も考えていきたいという。さらに、このビールサーバーシステムを導入したいほかの事業者がいれば、積極的に提案していきたいともいう。

店内は大きく2つのエリアに分かれている。主となるのはガストロパブエリアであり、クラフトビールのサーバーシステムがあるのもここ。着席70席、立ち席30席を擁し、世界の楽しい酒場の雰囲気を再現し、料理もそこで提供されるメニューを意識してそろえている。

例えば、定番中の定番である「フィッシュアンドチップス」(1180円・税別)は、発祥した英国で提供されているのと同じように、魚の身は大きな塊のまま。「パクチーサラダ」(880円・税別)はホップのきいたビールと合わせると、パクチーとホップの香りが高まり合う。デザートは「クラシック・チョコレートパフェ」(580円・税別)や「トリュフ・ブリュレ」(780円・税別)など複数あり、コーヒーの代わりにスタウトなど焦げ香ばしさのあるビールと合わせるのも面白い。

グループでにぎやかに飲み食べする楽しみ方のほか、遅めの時間のバーとしての利用や、貸し切りパーティーにも対応している。

ガストロパブエリアには、スペースインベイダーやピンボールといった、現代の技術で再現した懐かしのゲーム機が設置されており、無料で利用できる。なかでも注目したいのは、70年代の米国で大いに売れたビデオゲーム、アタリのPONG(ポン)の現代版だ。現在、タイトーが日本で販売権を得ていて、同社のウェブサイト経由でも販売しているが、「エクスバートーキョー」で無料で遊べるので、マニアにとって関心を示さずにはいられない。一大産業になって久しいビデオゲームの歴史をたどってみたい人にとっては面白いコンテンツだろう。

一方、もう一つは、「BLUE HOUR DINING」と名付けられたレストランエリア。着席66席を設置。ガストロパブエリアより落ち着いた雰囲気で、アミューズ、前菜、メイン、デザートといったより本格的な料理が楽しめる。なお、このエリアでは注文管理はICリストバンドは用いず、ビールはエクスサーバーシステムとは別に用意された3つのタップからスタッフが注いで提供される。

クラフトビール、料理、懐かしのゲーム、音楽ライブなど、一つひとつはすでに広く楽しまれているが、それらがすべて一つの空間で楽しめるのは画期的だ。「イータテインメント」の精神にのっとり、仲間と純粋に楽しい時間を過ごすための場として利用したい。

(熊谷勇一)

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