毎月分配型、残高減少に歯止め 高齢者のニーズ根強くQUICK資産運用研究所 清家武

毎月分配型投信で資金流入超に転じた例も出始めている
毎月分配型投信で資金流入超に転じた例も出始めている

毎月分配型投信の人気低下に歯止めがかかっている。純資産残高は2019年10月末時点で約23兆円と15年5月に記録した直近ピークの43兆円に比べほぼ半減したが、ここ1年近くは22兆~23兆円の水準を維持している。海外REIT(不動産投資信託)型など足元で資金流入に転じる例も出始めた。

毎月分配型投信は組み入れ資産の収益以上の分配金を出すことが多いため、金融庁が「長期の資産形成に向かない」と問題視し、販売会社も積極的な販売を控えたことから純資産残高はほぼ右肩下がりで減少していた。ここにきて下げ止まっている背景には、年金だけでは生活費が不十分な高齢者を中心に定期的な分配金へのニーズが根強いことがあるとみられている。

リターン、分配金が押し上げ

では毎月分配型投信の足元の運用成績と分配金の状況はどうなっているのだろうか。純資産残高の大きい毎月分配型投信を対象に過去1年の成績をまとめたのが下の表だ。投信の時価と分配金を含めたトータルリターンを示す年間騰落率(分配金再投資ベース)を調べ、基準価格の値動き(A)と分配金の寄与分(B)に分解した。分配金の寄与分は再投資ベースの分配金利回りといえる。

残高首位の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」の年間騰落率(A+B)は16.30%。内訳をみると(A)の基準価格は2.00%下落したのに対し(B)の分配金が18.30%のプラスに寄与し、結果として年間騰落率はプラス16.30%となった。残高4位の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」の年間騰落率は3.36%で、このうち基準価格は7.49%下落したが分配金の寄与分10.86%がトータルリターンを押し上げた。

残高上位10本のうち9本は基準価格の値上がりより分配金の寄与分のほうが大きく、基準価格が分配金の寄与を上回ったのは「J-REIT・リサーチ・オープン」のみ。大型の毎月分配型投信のほとんどが運用成績に見合わない高めの分配金を出していることを示している。

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