これまでのキャリアを細かく振り返っておく
転職活動を始めるなら、企業に応募する際、必ず「職務経歴書」を提出しなければなりません。いつ何時、思いがけないチャンスが訪れるかわからないもの。時間があるときに作成しておくことをお勧めします。
職務経歴書は、単にこれまでの所属・経験業務を書き連ねればいいわけではありません。それだけの職務経歴書では「この人の強みがよくわからない」と、書類選考段階で採用を見送られてしまうケースは非常に多いのです。これまでの経験をより詳細に思い出し、以下の項目を整理してみましょう。
・所属した会社・部署
・担当した業務、役割、ポジション
※プロジェクトの場合は、目的・規模・期間など
・挙げた成果と、成果につながった戦略策定や行動、工夫など
・これまでの経験で身に付けたスキル
以上の項目は、職務経歴書に記載するコンテンツとして活用できます。「成果」「身に付けたスキル」などは、「自己PR」欄などに記載することで、アピール効果が高まります。
重要なのは、「こんな成果を挙げました」だけでなく、そのプロセスを整理して、自分なりに「ノウハウ・ナレッジ化」し、できれば「メソッド化」しておくことです。応募先企業が見たとき「前の会社のリソースがあったからこそできたのだろう」ではなく、「うちの会社でも再現してくれそうだ」と思ってもらえるかどうかに留意し、体系立てて整理しておきましょう。
このほか、「企業選びの軸となり得ること」「面接に進んだ場合、注目されること」も整理し、言語化しておくといいでしょう。例えば、次の切り口で考えてください。
・仕事においてどんな場面で喜び、やりがいを感じるのか
・仕事においてどんな場面で苦痛やストレスを感じるのか
・これまでの経験のうち、これからも活かしていきたいことは何か
・新しくチャレンジしてみたいことは何か
・仕事において何を大切にしたいのか、その優先順位はどうか
・今後どんな自分になりたいのか
上記を考えてみると、自身の「価値観」を再認識することができます。この「価値観」こそが、企業の面接、特に最終面接での採否を左右するものとなり得ますので、しっかりと見つめ直してみてください。
時間があるときに「失敗体験」を振り返っておくのもお勧めです。面接では、ときに「失敗した経験」と、「失敗をどうカバーしたか」「どのように立ち直ったか」「失敗から何を学んだか」を聞かれることがあるのです。
情報が入ってくる体制を整えておく
年末年始だからこそできること、それは「今後の抱負、将来ビジョンをしっかり語ること」です。日常でこれをするのは、「このタイミングでどうしたの?何かあったの?」と違和感を抱かれそうでためらわれますが、新年を迎えるタイミングであれば、熱のこもった発信もすんなりと受け入れられます。
「今年は転職する」とまで言わなくても、「こんなことにチャレンジしたい」「こういう姿を目指していきたい」とSNSなどで発信してみてはいかがでしょうか。
「それならこの人に会ってみては」「こんな集まりに参加してみては」「こんな会社が副業OKでこんな人を募集しているよ」といった情報が寄せられるかもしれません。
自分が求める情報が集まってくるような体制を、年始に築いておいてはいかがでしょうか。
※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。
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