株価のクセ「ローソク足」で計る、転換点探るヒントに

写真はイメージ=PIXTA
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ある企業の株式を購入しようと考えています。買いのタイミングを計るには「テクニカル分析」が役立つとよく聞きます。基本的な分析手法を教えてください。

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株式の値動きをチャート上に示し、先行きを予想するのがテクニカル分析です。株価は基本的には経済動向や企業業績に沿って上下しますが、値動きに一定の規則性がある場合があります。経験則をもとに今後の傾向を読んで分析します。

分析で使われる株価チャートは様々ですが、代表例が「ローソク足」です。1日、1週間など一定期間内に株価がどう動いたのか、その特徴を一目でつかめるように図形化したもので、相場の持続性や転換点などを探ります。

チャートでは始値、高値、安値、終値の4つの値段を示します(図上)。終値が始値より高ければ白抜きの「陽線」、安ければ黒塗りの「陰線」とし、始値と終値の間の長方形の部分は「実体」などといいます。高値と安値は線で示し、高値までが「上ひげ」、安値までが「下ひげ」です。実体やひげの長さを分析し、値動きを予想します。

ローソク足は日本生まれの手法で、特徴的な形状には呼び名があります。例えば上下のひげがなく、実体が長い陽線は「大陽線」。買いが終日優勢だったことを示し、力強い上昇のシグナルとされます。反対に売り優勢を示す形状は「大陰線」です。

相場の転換点を示唆する形状として知られるのが「カラカサ」です。下ひげが長く傘のような形をしています。いったん大きく売り込まれた後に回復したことを示します。下落局面でできると上昇に転じるシグナルと見なせます。

実例を見てみましょう。

リクルートホールディングス株は、下落局面にあった8月29日にカラカサが現れました(図下)。同日の取引で株価は一時、約4カ月ぶりの安値を付けましたが、その後買い戻され、取引終了にかけてこの日の高値を付けました。これを境に下落局面から上昇局面に転換。その流れは続いており、11月末にかけての上昇幅は約900円になります。ローソク足の分析が生きた好例といえます。

転換のシグナルには他に「トンカチ」があります。こちらはカラカサとは逆さまの形状をしており、上ひげが長く伸びています。上昇後に売りに押されたことを示す形状で、高値圏では下落に転じる兆しと受け取れます。テクニカル分析はもちろん、いつも当たるわけではありませんが、値動きの傾向をつかみ、売買のヒントとなります。

[日本経済新聞朝刊2019年11月30日付]

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