田中瞳アナ さまぁ~ずとのロケ「リラックスが大事」
さまぁ~ずの2人が、普段はテレビが行かないような街をブラブラ歩く人気番組『モヤモヤさまぁ~ず2』(以下、『モヤさま』)。8月より4代目アシスタントとなったのが、今春入社したばかりの田中瞳アナウンサーだ。今やテレビ東京の"夜の顔"となった大江麻理子(現・報道局キャスター)をはじめ、狩野恵里、福田典子が歴代アシスタントを務めてきたが、新人アナウンサーが選ばれるのは初めて。8月4日に放送された初登場回では、ニセのハワイロケ番組の収録と聞かされていた田中アナに現地でアシスタント就任が伝えられるという大がかりなドッキリが仕掛けられた。
「『モヤさま』は好きな番組でずっと見ていたんですけど、自分が出るとは思いもしなかったです。これまで新人のアシスタントもいませんでしたし。プロデューサーさんからは『新人とさまぁ~ずさんの掛け合いでどうなるか、賭けで選んだ』と言われました(笑)。
さまぁ~ずさんからは、『肝が座ってるタイプだね』と。ただ、本当は顔に出ないだけで、めちゃくちゃ緊張しています。特にオープニングはいつもガチガチで…。まず、お2人が挨拶をされて途中で私が出ていくんですが、その段取りを忘れてお話に聞き入ってしまったり。ロケが始まっていろんな所を歩き、夕方になる頃にようやく平常心に戻るという感じですね。
スタート当初、スタッフさんに『3人の番組なんだから役割分担は3分の1ずつだよ』と言われたのが、私には衝撃的な言葉でした。なので、お2人が街で出会った方に聞かなかったことで気づいたことがあれば質問しようとか、自分にも役割があるというのを常に念頭に置いているつもりです。私が尋ねたことに意外な答えが返ってきたらうれしいですし、放送を見て自分の言葉がテロップになっていると気持ちが上がりますね。
とはいえ、さまぁ~ずさんは自然体で楽しまれている番組なので、私も同じようにリラックスするのがまずは大事なのかなと。例えば、研修では"食レポ"の仕方なども教わったのですが、『モヤさま』は食べ物そのものを紹介する番組ではないし、『正直な感想を言えばいい』と言われるので、構えずにいようと考えています。その結果、『熱っ!』しか言ってない時もあったりするんですが(笑)。あまりにも素でいようとしすぎて、お2人から『プライベートの散歩じゃないんだから』とツッコまれてしまうこともありますね。ただ、何が起こるか分からないロケを担当させていただいていることは、大きな経験だと思います。今では、他の番組で尺(分数)が決まっている中継を担当する時も、『時間内に収まらなかったらどうしよう』などと不安に感じることがなくなりました」
報道志望の軸は変わらない
子どもの頃から音楽を聴くのが好きだったが、家庭がNHKしか見せない教育方針だったことから、幼稚園時代は氷川きよしのファンだったという田中アナ。高校時代にはガールズバンドを結成。大学生の時にはミスコン出場がきっかけとなり、ニュース番組のお天気キャスターを1年間務めていた。
「学生時代は、人前に出るのはむしろ避けて通りたいというような性格でした。緊張して顔が赤くなるのが嫌で、それを克服したいとずっと思っていて。発信したり前に出ていくことが楽しいと思えるようになったのは、大学生の頃に知り合いに誘われて出たミスコンがきっかけですね。それで自分の殻を破れて、変わることができたんだと思います。
アナウンサーも昔から目指していたわけではないんです。大学時代に好奇心からお天気キャスターのお仕事をやらせていただいた時に、『昨日の番組を見て傘を持っていったので濡れずにすんだよ』などと友達に言われると、人の役に立っているんだなと感じることができて。徐々にアナウンサーという職業を意識し始めました。
志望は報道でしたし、アナウンサーは経済からスポーツ、芸能まで、どんな話を振られても対応できなくてはいけないんだなと感じています。なので、毎朝出社すると、まずアナウンス部の中にある発声室という防音の小さな部屋に入って声を出してから、新聞各紙に目を通し、分からない言葉があったらノートにメモをして調べるというのが日課です。
今は自分に何ができるのかを知るために、早くいろいろなお仕事がしたいです。報道をやりたいという気持ちも変わっていないので、これからも自分の軸として持っていたいですね。将来は、報道といえばこの人と言われるようなアナウンサーになりたいです」
(ライター 高倉文紀)
[日経エンタテインメント! 2019年11月号の記事を再構成]
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