疲れやストレスが招く 帯状疱疹、若いひとにも広がるDr.今村の「感染症ココがポイント!」

日経Gooday

背中や肩に痛みが出る場合は、五十肩と間違われることも。写真はイメージ=(c) twinsterphoto-123RF
背中や肩に痛みが出る場合は、五十肩と間違われることも。写真はイメージ=(c) twinsterphoto-123RF
日経Gooday(グッデイ)

気になる感染症について、がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長の今村顕史さんに聞く本連載。今回は、ある日突然、体の片側にピリピリとした痛みや赤い発疹が現れる「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」を取り上げる。帯状疱疹の原因は、水ぼうそう(水痘)と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」。国立感染症研究所の調べでは日本の成人の9割以上が同ウイルスに感染しており、ほとんどの人が帯状疱疹を発症する可能性がある。いざという時のために、発症しやすい状況や発症の兆候、症状などを知っておこう。

【ココがポイント!】
●帯状疱疹は過去にかかった水ぼうそうのウイルスが再び活性化することで起こる
●体の片側の神経に沿った範囲に、ピリピリとした痛みや赤い水疱が現れるのが特徴
●50歳以上で発症が増えるが、近年は若い世代でも増加傾向にある
●加齢、疲労やストレス、風邪やインフルエンザ、免疫力の低下が引き金に
●帯状疱疹が治っても、強い痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」になることもある
●帯状疱疹の発症や帯状疱疹後神経痛は、水痘ワクチンの接種でリスクを低減できる

体の片側に痛みや水疱が現れる

――まずは「帯状疱疹」はどんな病気で、どのように起こるのかについて教えていただけますか。

帯状疱疹は水ぼうそう(水痘)と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因となって発症します。子どもの頃に同ウイルスに感染して水ぼうそうにかかると、治ったあともウイルスが神経の根元(神経節)に残り、一生にわたって潜伏します。このウイルスが、何らかのきっかけで活動を再開(再活性化)すると、帯状疱疹を引き起こします。

再活性化したウイルスは、神経に沿って移動していくため、発症の初期には皮膚の表面にピリピリ・チクチクとした痛みを自覚することがあります。さらに、神経に沿った範囲の皮膚に、プツプツとした赤い水疱が多発します。この水泡は、通常は体の片側に発生する特徴があります。

体の片側に痛みや赤い水疱が現れる。写真はイメージ=(c) t0pkul3-123RF

――なぜ、体の片側だけに発生するのでしょうか。

顔や体幹部の神経は、背面から左右それぞれに前面の正中部(体の左右の真ん中のライン)まで伸びています。水疱が神経に沿って広がっていっても正中部を乗り越えずそこでとどまるため、片側だけの発生となるのです。ちなみに、肋骨の間にある神経の範囲に水疱ができると、水疱が神経に沿って帯状に広がることから、「帯状疱疹」と呼ばれています。

――帯状疱疹は肋骨周辺以外に、どんな部位に発症しますか。

水ぼうそうの場合は全身に発疹が現れますが、帯状疱疹ではウイルスが再活性化した神経の部分だけに発疹が出現します。水疱が現れる可能性のある部位は、神経が通る頭部、顔面、体幹、四肢など様々です。

発疹自体は水ぼうそうと同じように、水疱が破れてかさぶたになり、やがて治っていきます。ただ、抗ウイルス薬による治療後にも、皮膚に跡が残ってしまったり、痛みが持続してしまったりすることがあります。また、顔面に発症すると、顔面神経マヒ、角膜炎、聴力障害などの合併症を起こすこともあります。

加齢、疲労やストレスが発症のきっかけに

――帯状疱疹はどんな人が発症しやすいのでしょうか。

水ぼうそうにかかったことのある人は誰でも帯状疱疹になる可能性がありますが、一般的には50歳以上で発症する人が増えてきます。高齢になるほど発症しやすく、80歳までに3人に1人が発症するといわれることもあります。ただ、近年は20代での発症も増加傾向にあります。

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