ロッキー・ライズ 車内広々の貴重な5ナンバーSUV

2019/12/29
コンパクトな車体でも広い室内空間を実現したダイハツ・ロッキーXとトヨタ・ライズZを試乗した(写真:向後一宏、以下同)
コンパクトな車体でも広い室内空間を実現したダイハツ・ロッキーXとトヨタ・ライズZを試乗した(写真:向後一宏、以下同)
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全長4mを切るコンパクトなボディーサイズが特徴の新型SUV「ダイハツ・ロッキー」「トヨタ・ライズ」。小さな車体で大きな車内空間を実現したニューモデルは、機能的なSUVとしてはもちろん、今や希少な5ナンバーの実用車としても魅力的な一台に仕上がっていた。

初代とは性格の異なるクルマ

東京モーターショーでダイハツブースにサプライズ展示されたモデルの販売が早くも始まった。会場では「新型コンパクトSUV(市販予定車)」とだけ紹介されていたが、発表された車名は「ロッキー」。日本では1990年から1997年まで販売されていた名前が復活したことになる。初代はラダーフレームにFRベースの4WD機構を組み合わせたライトクロカンだったのに対し、新型は都市型のクロスオーバーSUV。まったく異なる性格のクルマになった。

ダイハツが「タント」で初採用した新世代のクルマづくりのコンセプト「DNGA」に基づいて開発されている。DNGAは軽自動車からAセグメント、Bセグメントまで幅広くカバーしているのだ。最も条件の厳しい軽の規格をクリアできれば、より大きなクルマでも十分に通用するという考え方である。「大は小を兼ねる」という一般的な理屈とは正反対なのが、いかにもダイハツらしい。

トヨタにOEM供給され、「ライズ」としても販売される。「トール」と「タンク/ルーミー」の関係性と同じだ。月販目標台数はロッキーが2000台、ライズが4100台。販売店の数が多いトヨタのほうが多いのは致し方ない。実際の受注台数はロッキーが3500台、ライズが6500台で、ダイハツの健闘が光る。

試乗会には両方の車種が用意されていた。まず乗ったのは「ロッキーX」。上位から「プレミアム」「G」「X」「L」というグレードがあるが、パワートレインは同一である。98PSの1リッター3気筒ターボエンジンにCVTという組み合わせだ。エンジンはトールに搭載されるものと基本的に同じ。インタークーラーの位置をエンジンの上から前方に変更し、吸入する空気の温度を下げたという。CVTはタントで初採用された「D-CVT」で、ベルトと遊星歯車を使って変速比を拡大し、燃費向上を狙っている。

エンジンは最高出力98PSの1リッター直3ターボ。既出のコンパクトハイトワゴン「トール」のターボ車と基本的に同じものだ

外は小さく、中は広く

試乗車のボディーカラーは「コンパーノレッド」。ダイハツが1963年から販売していた「コンパーノ」をイメージしている。ロッキーといい、コンパーノといい、過去の遺産をフル活用しているわけだが、覚えている人はあまりいないだろうから販売促進の効能は期待していないようだ。名称はともかく、マツダ、レクサス、三菱が赤いボディーカラーを推している中で、同じ赤でも趣向の違うものを投入したわけである。

立派で堂々としたSUVに見慣れているので、ロッキーのコンパクトさは際立つ。全幅は1695mmで5ナンバー枠に収まり、全長は3995mmで4mを切った。この2つの数字は開発初期から決められていたそうである。外は小さく、中は広くというのがダイハツの信念なのだ。

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