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空気にこだわり ダイソンが初の加湿空気清浄機

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ダイソンが空気清浄機と加湿器を相次いで発売したのは2015年のこと。それから4年、ようやく19年11月に両方の機能を備えた加湿空気清浄機「Dyson Pure Humidify+Cool(ダイソン ピュア ヒューミディファイ プラス クール)」がお目見えした。

空気の質の向上にこだわった4年間

日本製の加湿空気清浄機は10年以上前から存在し、現在、人気商品ランキングにはシャープダイキン、日立、パナソニックといったメーカーが並んでいる。サイクロン掃除機や羽根のない扇風機など、先進性を売りにしてきたダイソンだけに、初の加湿空気清浄機と言われてもいまさらという印象は拭えない。

「加湿器を発売した15年には、すでに加湿空気清浄機の開発に着手していた」と話すのは、ダイソンで空調家電製品カテゴリー グローバル・カテゴリー ディレクターを務めるチャーリー・パーク氏。「Dyson Pure Humidify+Coolでは、当時とは全く違う加湿テクノロジーを採用している。また空気の拡散方法、センサーの使い方なども従来の製品とは異なる」。

「どこの製品とは言わないが、加湿機能の衛生面に問題のある製品があることも確認した。Dyson Pure Humidify+Coolでは安全な水準まで細菌を減らし、また細菌を外に放出しないことに重きを置いて開発を進めた」(パーク氏)

開発に時間がかかったのは、空気の質を向上させるための解決策を模索した結果だというのだ。

「単機能を実現するだけなら簡単だが、Dyson Pure Humidify+Coolでは加湿機能と空気清浄機能のバランスが重要かつ難しいポイントだった」と、パーク氏は加湿空気清浄機の難しさを打ち明ける。

空気清浄機の効果測定に独自の試験室を用意

パーク氏はさらにこう付け加える。「開発にあたって英国のキングス・カレッジ・ロンドンおよびロンドン市と共同で、ロンドンの5つの学校の児童約250人にセンサー付きリュックを背負ってもらい、通学時の空気状況について調査した。その結果、自転車やスクーターで通う児童よりも通学バスやマイカーを利用する児童のほうが汚れた空気にさらされていること、さらに屋外より家庭の空気の汚染度が高いことが分かった」

「空気清浄機を開発する際には、実際に生活している人の現実的な環境での問題を解決することが重要」というのがパーク氏の主張だ。そのために用意したのが「POLAR試験室」と呼ばれる独自の試験室。ダイソンではこの試験室を使って「現実的な環境」での効果測定に取り組んでいる。

「業界標準の試験室(幅3.7×奥行き2.7×高さ2.5メートル)は部屋が小さい上、部屋の中央に空気清浄機を設置して清浄スピードを測定している。しかも、多くは部屋の天井に取り付けたファンで空気をかき回しており、空気の汚染度を計測するセンサーは空気清浄機の近くに1つだけ。それでは現実的な計測方法とはいえない」(パーク氏)

一方、POLAR試験室は3倍超の容積(幅6.0×奥行き4.5×高さ3.0メートル)で、世界各国の部屋を平均した広さとなっている。空気清浄機を部屋の隅に置いて計測している点も現実的だ。また計測用のセンサーは9カ所に設置して、部屋全体の空気がきれいになったかを確認するという。もちろん空気を強制的にかき回すようなことはしていない。

それ以外にも、「ブリーズモード」という自然のそよ風のような気流を実現するアルゴリズム開発のため、3軸型超音波風速計を使って同社の英マルムズベリー研究開発拠点の8カ所で4000万以上のデータポイントを収集したという。製品開発においてこうした徹底したリサーチを実施するのはまさにダイソン流。開発に4年かかったというのもうなずける。

グローバルモデルならではの課題も克服

パーク氏によれば「国や地域によって問題となっている汚染物質は異なる。日本向けモデルは搭載していないが、ホルムアルデヒドの問題がある国のモデルには、それを除去する機能を採用している。グローバル展開には、それぞれの国・地域で抱えている問題も解決する必要がある」とのこと。

それを受けて、ダイソンのアドバンスト リサーチ サイエンティストであるジェム・マクラキー氏も「国や地域で汚染物質が異なるように、加湿に使う水にも違いがある。グローバル展開に際しては、水の衛生面が大きな課題だった。グローバルに対応できる処理システムの開発には苦労した」と付け加えた。

「硬水と軟水では蒸発効率が異なる。水の中に含まれるミネラルも種類や含有率が異なるため、どの国・地域でも使えるようにいろいろな水源、水質の水を使って、どのような処理が最適なのか研究を重ねた」(マクラキー氏)

インフルエンザシーズンに日本で先行発売

ダイソンは日本での先行発売の後、中国、韓国、米国へも「Dyson Pure Humidify+Cool」を投入する計画だ。パーク氏は「空気清浄は世界中どこでも重要な課題だが、乾燥については地域が限定される。日本や中国、韓国、米国などがそうだ」と言う。

「日本市場は(空気清浄機の)普及率が40%超と、空気の質に対する意識が高く、ダイソンのブランド認知度も高い」とパーク氏。「日本ではインフルエンザが流行し始める11月下旬以降が、まさに加湿が必要とされる時期。その先は受験シーズン、スギ花粉シーズンなどで空気清浄機が注目される」との理由で日本での先行発売となった。

近年は深刻な大気汚染を背景に中国の空気清浄機市場が拡大しており、韓国でもサムスン電子やLGエレクトロニクス、COWAY(コーウェイ)などが黄砂対策として空気清浄機をアピールしている。両国とも加湿空気清浄機の認知度は高いので、ダイソンのブランド力があればスムーズに浸透していく可能性は十分にあるだろう。

チャレンジとなるのが米国での展開だ。米国でも空気清浄機に対するニーズはあるが、パーク氏は「日中韓と違い、加湿空気清浄機というコンセプトが浸透していない」と懸念を示す。その一方で「米国にも冬の乾燥が厳しい地域はあるので、ニーズも成長の伸びしろも十分にある」とパーク氏は期待する。加湿空気清浄機を導入することで、肌トラブルや健康状況が改善する可能性を訴求すれば、まだまだニーズを掘り起こせるとみているようだ。

「空気清浄機の周囲だけでなく、部屋全体にきれいで適切な湿度の空気を届ける。それがダイソンの問題解決であり、だからこそ成功すると確信している」とパーク氏は強調した。

(文・写真 安蔵靖志)

[日経クロストレンド 2019年11月21日の記事を再構成]

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