優待株で数億円 みきまる氏が語る誰でもできる投資技『楽しみながらがっちり儲かる 優待バリュー株投資入門』著者に聞く

優待品をゲットして喜ぶだけではもったいない

──優待品を手に入れるために優待株を購入する人は多いですが、優待株の売買で値上がり益を上げようとする人はそれほどいません。

確かにキユーピー(東1.2809)やカゴメ(東1.2811)などの定番銘柄を購入して優待で商品の詰め合わせをもらうと、生活に潤いが出てうれしいものです。それはそれで良いことなのですが、優待品をゲットして喜ぶだけにとどまってはもったいないと思います。指標で見て割安な優待株を売買して大きな利益を上げることを目指す優待バリュー株投資は、極めて優位性の高い投資法だからです。

優待バリュー株投資の優位性を一言で表すと、ローリスク・ミドルリターンで、本質的に有利な投資法である点です。具体例を挙げて説明しましょう。私は13年に新興航空会社のスターフライヤー(東2.9206)で大勝負を仕掛けました。同社は13年3月期に機材関連費の大幅増加や主力の北九州─羽田線の競争激化の影響で増収ながら減益を計上していました。しかし、14年3月期にはドル箱の福岡─羽田線の往復便を従来の2倍に増やして利益のV字回復が見込まれたので、勝負に出たのです。

ところが、円安と原油高が予想外に進んで、14年3月期はV字回復どころか、赤字に転落。私は数百万円の損失で撤退を余儀なくされましたが、致命傷を負うことは避けられました。普通運賃が5割引きになる優待券が年6枚という人気優待がクッションとなり、業績ほどには株価は落ち込まなかったからです。

赤字に転落しても株価はさほど下がらず

このように優待株には株価の下方硬直性があります。負ける時には損失が限定されるからローリスク。勝つ時には優待のない株に見劣りしない利益が期待できるのでミドルリターンです。ローリスクなので、心が比較的落ち着いた状態で全資金を株に突っ込むことも可能です。これが優待バリュー株投資の本質的な優位性だと私は思っています。

日本では、「株式投資」と聞くだけで、「危険で、決して近づいてはならないもの」と条件反射的に拒否反応を示す方が依然として多いでしょう。優待バリュー株投資は「ローリスク・ミドルリターン」で安全性が高く、かつ抜群に楽しい投資法です。そのノウハウを惜しみなく紹介している著書を読んで、優待バリュー株投資の要諦を学んでいただければ、読者の方々にもワクワクしながら株式投資に取り組んでいただけると思います。

(日経マネー副編集長 中野目純一)

みきまる(ハンドルネーム)
兼業投資家。2000年に株式投資を開始。優待株で割安な銘柄を選別し中長期で保有する「優待バリュー株投資」を実践し、数億円の資産を築く。ブログ「みきまるの優待バリュー株日誌」は、優待族のバイブルとして人気を博している。著書に『爆笑コミックエッセイ 株主優待だけで優雅な生活』『まんがでわかる 株主優待だけでもっと優雅な生活』(以上、共著、宝島社)、『みきまるの【書籍版】株式投資本オールタイムベスト 独学で学びたい読者のための35冊 (現代の錬金術師シリーズ)』(パンローリング)などがある。

楽しみながらがっちり儲かる 優待バリュー株投資入門

著者 : みきまる
出版 : 日経BP
価格 : 1,650円 (税込み)

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