がけ地などが通勤・通学路にあるかどうかもチェック項目の一つです。がけ地は土砂災害警戒区域に指定されている場合もありますので、不動産業者に確認するか、自治体のホームページで確認するとよいでしょう。
併せて、周辺の施設を確認します。例えば、最寄り駅にある商店や病院、公園、幼稚園、小中学校といった施設を見ます。それだけでなく、個人商店などで買い物をしながら街の情報を「取材」しましょう。良い情報だけではなく、悪い情報も含めてさまざまな情報を入手できることがあります。
【ポイント3】道路の幅や境界標など確認
物件に着いたら街並みや日当たり、風通しなどの確認は当然として、道路の状況は要チェックです。帯同している不動産業者に、対象の敷地が建築基準法の道路かどうか、そしてその道路に2メートル以上接しているかどうかを確認しましょう(いずれも満たさないと原則、建築できません)。公道か私道かも重要で、私道の場合、道路の維持管理費用の負担を求められたり、通行や給排水管設置のための掘削などに制限があったりするかもしれません。
道路幅員(道幅)が狭い場合、セットバック(一般には道路中心線から2メートル下がり、その部分を道路として提供しなければならないルール)についても確認しましょう。道路幅員が狭かったり、敷地までの間口が狭い「旗ざお型」の土地だったりした場合、家を解体したり新築したりする際に大きな車や重機が敷地内に入れず、工事費が思った以上にかかってしまうこともあるので、不動産業者に確認しておくとよいと思います。
道路と敷地に高低差がある場合も通常以上に造成費用がかかることがあります。また、古い擁壁だと新たに造り替えないと建物を新築できなかったりすることもあります。敷地が道路より低い場合、排水にポンプを利用しなければならない場合もあります。ポンプを新設する費用(中古住宅の場合はポンプの使用期間や交換費用)も確認しておきたいところです。
境界杭(くい)や境界鋲(びょう)、金属プレートなどの境界標が道路側にあるかどうかもチェックしましょう。よくわからなければ不動産業者に確認します。併せて敷地内にも境界標があるかどうかを業者や売り主に確認します。境界標は売買の対象となる土地の所有権の範囲を示す重要な印で、あいまいにしておくことはできないものなのです。
【ポイント4】建物を専門家に見てもらう
建物もいくつかのチェックポイントがあります。建物を外から眺めてゆがみやひずみがないか、塗装が劣化してはがれていないか、壁に大きなひび割れなどがないかをチェックします。室内は見学中に細かいところまでチェックはできないことが多いと思いますが、天井に雨シミなどがないかを確認しておくとよいでしょう。
ただ、建物の劣化状況のチェックについては、同行する不動産業者も専門家ではないことがほとんどですし、売り主も劣化の状態にほとんど気付かないことも多いものです。なにがしかの劣化を確認できたとしても、すぐに修繕すべきなのか、しばらく様子を見てもよいのか、修繕費用はどの程度なのかといったことに答えられる業者は少ないのが実情です。
こうした問題にはホームインスペクター(住宅診断士)など建物の劣化診断や維持管理の専門家でないと的確な判断ができないことが多いものです。気に入った物件に巡り合ったら、再度の見学と診断を売り主に依頼し、ホームインスペクターに同行してもらうのも手だと思います。
