オンナの話はつまらない?著述家、湯山玲子さん

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著述家、プロデューサー。東京都生まれ。「女装する女」など著作多数。クラシック音楽のイベント「爆クラ!」を主宰。テレビのコメンテーターとしても活躍。
著述家、プロデューサー。東京都生まれ。「女装する女」など著作多数。クラシック音楽のイベント「爆クラ!」を主宰。テレビのコメンテーターとしても活躍。

結婚して1年半、「女の話はオチがなくてつまらない」と夫からよく言われます。その日あった出来事などとりとめない話が男性は苦手なのだと理解しています。でも私だって、特定のテーマを掘り下げる男性特有の話し方、つまり夫の話にもちゃんと付き合ってあげています。夫婦のちょうどいい会話の仕方はあるのでしょうか。(埼玉県・40代・女性)

会話の仕方は、その人がいる環境によって違ってきます。相談者氏が言うように「とりとめのない話」の会話を延々と続けるパターンが女性に多いとされるのは、主婦友、ママ友など同質で固定的、そして目的のない集団で、「関係キープ」こそが目的だから。これ、男性にしても同様で、居酒屋で飲んでいる彼らの話の多くは、他人が聞いても面白くない会社の愚痴や噂話ばっかり。

しかし、他者と関わることが多く、競争社会に生きるタイプのビジネスマンや、自立した個人として他者と関係を持ちたい人の会話は、それとはちょっと違ったものになります。

彼、彼女らの会話は、他人に自分を魅力的で有能に見せたり、敵じゃないよと思わせて理解しあったりするためのもの。この、他人同士が参加できるコミュニケーションでは、時事、政治、芸術、スポーツや芸能スキャンダルまでが「共通の話題、テーマ」として取り上げられます。

私自身そういう会話の世界の住人なので、大学の教え子たちと飲んでいて、彼らの「他人が聞いても面白くもなんともない話」にイラつくこともしばしばなのは事実。相談者氏の夫君がつまらないと言うのは、そういうことです。

さて、相談者氏は夫と違って「とりとめのない会話」もテーマ性のある会話もオッケーなバイリンガルタイプ。ならば、相談者氏の方が夫に寄り添った方が、解決は早い。銀座の一流クラブのママが新聞を読みこなす努力を怠らないというのは本当の話で、夫につまらないと言わせないネタをどんどん仕入れて披露しましょう。

なぜこんなことを勧めるかといえば、これまで当たり前と思っていた「とりとめのない会話」が成立する環境が、今後の日本ではたぶん激変するから。加えて、人生100年の高齢社会は、多くの人がおひとりさまの老後を経験する可能性があります。

その時にモノを言うのは、コミュニケーション術。どんなときでも他人を魅了する「話」ができて、良好な人間関係をつくることができるというのは、最大のサバイバル能力かもしれません。

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[NIKKEIプラス1 2019年11月30日付]

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