日経Gooday

2019/12/5

フィットネス

姿勢を良くする体操~まず「骨盤揺らし」

とはいえ、日中はデスクワークが中心で、どうしても前かがみになる時間が長い──。そんな人に勧めたいメソッドが「骨盤揺らし」だ。普通に仰向けに寝て、全身の力を抜き、骨盤のあたりを揺らしながら、ゆらゆらと体を動かしていく。たったこれだけでも、寝る前などにこまめに行うと、骨盤回りや骨盤につながる背骨の凝りやこわばりがほぐれていく。骨盤揺らしに続けて、手足をぐぐーっと伸ばして、一気に脱力する、背伸び体操も併せて行えば、リセット効果がより高まるという。寝る前の習慣にぜひ行ってみてほしい。

背筋を強くする2つの体操

さらに、姿勢を良くするためには、背中の筋肉、背筋を強くすることが重要だという。5~6kgにもなる人間の重い頭を支え、背骨と肋骨を体の後ろ側からサポートしているのが背筋。普段の生活で、背中を意識することはあまりないかもしれないが、実は背中の筋肉は人の体の中でも最も面積が大きい筋肉。「背中には、呼吸をつかさどる筋肉も多いため、背中が弱って、硬くなると呼吸がしづらくなったり、全身の血流や代謝が悪くなったりします。普段使わない背中を、“脳で”意識しながら使っていく体操を行い、背筋を育てていくことがポイントです」と菊池さん。

背筋に力をつけたい人にお勧めのメソッドが「よつんばいで肘伸ばし」。普段曲げて使うことが多い肘をしっかり意識して伸ばしていくと、めったに動かさない背中の筋肉が使われることを実感できるはず。まず、よつんばいになり、手を小指の方向に外側に回し、肘の内側を前にして肘をしっかりと伸ばしながら、肋骨を持ち上げる。今度は肘の外側が前を向くように手を返し、腕から背中側の筋肉を感じ取る。肘を伸ばしながら、使われている背中の筋肉を、脳でしっかり感じ取りながら行うことが重要だ。

もう一つ、背筋強化に効果的なメソッドが「うつ伏せで脚上げ」。うつ伏せで寝て、両手を顔の横に置き、おでこを床につけ、両脚をそろえて上げる。膝をきちんと伸ばすようにして、持ち上げ、お尻、太もも、背中と、体の後ろ側の筋肉を感じ取りながら行っていく。脚を上げている時にはお尻を触って、お尻の筋肉が使われていることをしっかり感じてみよう。

(文 新村直子、イラスト 内山弘隆)

菊池和子さん
「きくち体操」創始者。1934年生まれ。日本女子体育短期大学卒業後、体育教師を経て、「きくち体操」を創始。神奈川・東京の直営7教室のほか、カルチャーセンターでも教室を持つ。著書、講演、テレビ出演多数。

[『医師が認めた!究極のきくち体操』(日経BP)を再構成]

医師が認めた! 究極のきくち体操

著者 : 菊池和子
出版 : 日経BP
価格 : 1,650円 (税込み)