一方で、副業には「闇」の部分があるのも確か。一つは副業だとどうしても細切れ時間での中途半端なコミットになってしまうし、本業にも全く支障が出ないわけではなく、一挙両得のようで実は両方中途半端に陥ってしまう懸念もあります。だからいつまでたっても「副業」にしているのは長期的にみるとよろしくなく、ある一定ラインからいずれかに対して本業としてフルコミットした方が伸びが大きいと感じます。

ひとりブラック企業、ひとり超連勤

また、体力的な厳しさもあります。副業時代は土日に副業でガッツリ稼働したあと休む間もなく月曜に出社をしていたのですが、今思えば「ひとりブラック企業」「ひとり超連勤」状態になっていました。給与を出す側もやっぱり複雑な面もあるかと。経営者側の度量が相当大きいか、もしくは副業可にするメリットに納得している、また副業をする従業員側が本業をおろそかにしないという意思表示ができている場合でないと難しいかもしれません。

市原さんの代表作、新しい弔いのかたちを提案する「デジタルシャーマン・プロジェクト」

さて、フリーになるにあたって、注意したいのが、会社の辞め方です。当たり前ですが、退職までの会社の仕事は誠実にやった方がよいです。引き継ぎはしっかりとやり、最後まで会社への貢献を意識しないと。特に同じ業界で活動する場合、特定の組織においてマイナスイメージがあると、どこからともなく広がってしまいます。

また、勤めていた会社での仕事と独立後の仕事は同業種か、異業種であるかで下準備が違ってきます。同業種での独立をする場合は本業での実績作りに全力を尽くした方がよいと思います。ただ、私の場合もそうでしたが、独立後の仕事が会社員時代と異なる業種の場合は、副業制度などを使って個人としてのプレゼンスを高めたり実績を上げたりするなどの準備を着々と進めるほうが安全かもしれません。

退職する会社との共存共栄を目指す

また、フリーランスを宣言する「独立エントリー」では、退職する会社に迷惑をかけず、広報効果を与えることを意識して共存共栄を目指すとよいと思います。独立後初期、お仕事を獲得するのに、退職・独立エントリーによる恩恵はかなり大きいです。退職・独立エントリーは「所属企業の名前を借りて自分のPRをさせていただく」と認識するのが正しいと思います。

特に大企業や有名な企業だと「ハロー効果(後光効果)」を得られます。ですから恩返しとして、拡散時には企業側にも恩恵があるように勤めていた企業の良かったところも書いておくのもお勧めします。逆に所属していた企業の愚痴を書くのはご法度で、「私は仕事相手の悪口を言うような不誠実な人間です」と世間に吹聴しているようなもので、誰も得をしません。

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